内容説明
飲んだ牛乳も、食べたパンも、読んだ本も、全部きみの中にいるよ。自分について考えるきっかけとなる絵本です。4才ごろから。
著者等紹介
藤野可織[フジノカオリ]
京都市に生まれる。2006年「いやしい鳥」で第103回文學界新人賞受賞(『いやしい鳥』文藝春秋)。2009年「いけにえ」で第141回芥川龍之介賞候補。2012年「パトロネ」で第34回野間文芸新人賞候補(『パトロネ』集英社)。2013年「爪と目」で第149回芥川龍之介賞受賞(『爪と目』新潮社)。絵本は『ぼくは』が初
高畠純[タカバタケジュン]
名古屋市に生まれる。『だれのじてんしゃ』(フレーベル館)でボローニャ国際児童図書展グラフィック賞受賞。『オー・スッパ』(講談社)で、日本絵本賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ベーグルグル (感想、本登録のみ)
48
芥川賞の藤野可織さんの絵本デビュー作品。絵は高畠純さん。食べたり、見たり、聞いたりなど体験したことが自分のものになる、培われていく。そう考えると体験する事は感性にも繋がっていくのだろう。奥深い本でした。2019/12/16
厩戸皇子そっくりおじさん・寺
47
遠くからこの表紙を見て、一瞬、和田誠の本かと思ってしまった。近くば寄って目にも見れば別人の絵だとわかる。食物を食べる事が、その魂を貰う事だと解る良い絵本。文章は牛乳やパンや林檎の独白である。「きみはぼくがすき、ぼくもきみがすき」というフレーズが韻を踏む。食べられる事で血肉になり、きみの中にいる事。ラストは食べ物ではなく本。少年に愛読されながら、猫のいたずらでボロボロになる。しかし本はきみの中にいる。本の内容も読んだ人の中で生きているのだ。内容を血肉にできる読書を長らくしてない自分を反省。2015/07/19
べるめーる
33
図書館で娘が選んだ絵本。よく見ずに借りたけど、芥川賞作家の藤野さんの作!著作は怖そう…と尻込みしていて未読ですが、絵本も出版されてたんですね。この絵本は、「ぼくは牛乳、パン、切られたリンゴ、破れた本。食べられたら、切られたら、存在がなくなる??いや、きみのなかに、ちゃんといる」…というけっこう哲学的な内容。シンプルなのに深くてハッとする。高畠さんの少しとぼけた絵がユーモラスで効果的。帯にあった藤野さんと高畠さんのコメントも良かった。娘がどんなふうに理解しているのかはわからないけど、この本好きみたい。2014/01/23
美葉
26
芥川賞作家さんの初絵本ということで、読んでみた。絵本だけど、奥が深い。こうやって、色んなもので自分はできてるんだよなぁ。2018/10/04
anne@灯れ松明の火
26
遠い方の新刊棚で、高畠さんの絵とシンプルなタイトルに惹かれて。藤野さん、どこかで聞いたようなと思いながら、読メチェックしたら、芥川賞作家さんだった^^; そのせいかはわからないが、前半の「ぼくはいる。きみのなかにいる。」という単純そうな言葉にも深みを感じるし、途中からの予想外の展開は哲学的だった気がする。今、内容を紹介を見てきたら、「4才~」とあったが、もう少し大きくないとわからないんじゃないかな。いや、せっかく絵本なのだから、あまり難しく考えなくてもいいのかな。2014/04/23