内容説明
ぼくは川田大介。小学五年生。秋の連休を利用して、お父さんとふたりで、お父さんの里に遊びにきていた。「あのカブト山には、山ザルがいるだ」と六年生のじゅんちゃんが言ったのが、すべてのはじまりだったのだ。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
丘野詩果
6
佐々木さんに借用。5年生の川田大介は、森で道に迷い、動物達に捕まり、裁判にかけられる。他に捕まった人間の中には、死刑になったものもいるが、大介と元大学教授のマキノさん、同じ5年生のヨシコは自然牧場へ行くことになる。そこは自分の力で生きて行かなければならない、サバイバルの世界。動物を殺して肉を食べ、皮をはいで使うという、小学生にはありえない経験をするのだ。大介を通して、「命はつながって生きている。誰かの命で、他の誰かが支えられている。」という主題があきらかになっていく。人間は土に戻って、土に命をかえすのだ。2015/06/03
†ソエル†鳴らせ Hi-Fiな想いと 次元を超え胸打つメロディー
4
この惑星に生きているのは、人間だけじゃない。
はる
2
児童書だし、と甘く見て、森の中で動物たちと出会うファンタジーかな、程度の気持ちで読み始めたところ、かなり衝撃を受けました。とはいってもいい意味での衝撃。いのちの尊さや、自然の厳しさ、偉大さをお説教ではなく、実感させてくれる素晴らしい本だと思いました。これを読んだ人は、自己中心的な考え方をしなくなるんじゃないかなー。絶版なのが惜しい!2020/11/06
myon
2
小学校の頃に、図書室で借りてどっぷりハマった本。 それまでは図書室の児童書全部読むぜ!って勢いで本を借りていたのに、これに出会ってからは、返却期限に図書室言って「もう一回借ります」を卒業まで続けてました。 そのくらい大好きだったのに、当時「買ってもらう。」という意識にまで至らず…いまさら手に入れようとしてもどこにも売っていない、出版社にも在庫なし…ネットの古本屋にも在庫なし…どうしたら良いのだろう。 とりあえず、図書館にあった(これはこれでめっちゃ驚いた。もう出会えないかと思っていたから)。読む。
がばいおばちゃん
1
人間のふるまいに警鐘を鳴らすようなお話。はたして「神」の存在を認めない人に、届くのだろうか?高度経済成長時代の話ではなく、意外と新しい作品だった。2013/11/02