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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
リリー・ラッシュ
24
歳の差も立場も全く関係なく、一緒に居るのが普通に感じる関係。「あわあわと色濃く流れた」2人の時間。センセイがこの世から居なくなっても、センセイの鞄の中はからっぽのようで、そんな思い出の時間が詰まっている。(1、2巻読了)2022/08/13
buchipanda3
20
センセイとツキコさんのお話の続き。とてもいい話だった。二人の距離に大きな変化があった後の話「干潟_夢」はとても幻想的で印象深く、流れとしていい塩梅のワンクッションになっていたと思う。振り返ると最初に話し掛けたのはセンセイの方からなんだよね。そこからずっと、先への不安とかも抱えながらツキコさんへの思いは持ち続けていたんだろうなと。時には気持ちを抑えながらも。二人で寝っ転がって天井を見つめながら不思議な昔話をする。その様子が何かいいなあと思えた。2017/03/05
純子
19
谷口ジローさんは原作の言葉を壊したくなくてそのまま使ったとのこと。川上弘美さんは絵で見て初めてそういう話だったのかと理解した箇所があるのだとか。双方がちからを注ぐことで、互いの良さが高まり合うといった感じかな。あまりに年の差があると恋愛するにも苦労がありそうだと現実社会ではそう思うのに、原作を読んだときには違和感を抱かなかった。まんがを読むと、なんだか生々しくてわたしは小説の方が安心して読めるかもと思ったけれど、センセイとツキコさんの逡巡する様子は絵によってよく伝わるから、やっぱりどちらもいいなと思う。2019/07/13
しんすけ
17
ツキコとセンセイは最近すれ違いが多くなる。常連の酒場でもツキコが帰ろうとする頃にセンセイがやってくる。 酒場の主人のヒロシから、先日センセイが美人同伴でやってきたことを教えられる。ツキコにはなにか虚しさが残る。 それは同窓会の花見であったセンセイの同僚に過ぎなかったが。 ようやく二人が、顔を合わせて飲んだときツキコはいつも以上の酒を飲み酩酊してしまう。ツキコが気づいいたときセンセイの家で寝ている自分を知った。 そのとき雷が鳴りだす。雷に怯えるツキコをセンセイは自分の膝を枕にして寝かせる、それだけだった。2022/10/09
kei-zu
16
久しぶりの再読。川上弘美の原作は、その透明感が大好きで何度か読み返した。 一方、漫画化された本作の初読時の印象は、「あれ? こんなに「実在感」があるお話しだっけ」だった。 実在感は丁寧に描き込まれた谷口ジローの絵によるところが大きいが、原作の透明感と緻密な書き込みの間に浮かぶ空間こそが、本作の「手触り」だ。 2023/03/07