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双葉文庫
浮寝の花

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  • サイズ 文庫判/ページ数 310p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784575661392
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

内容説明

大店の呉服商千石屋に嫁いで十五年、三十五になるおけいは、夫作兵衛の身勝手な扱いと店の慣習に縛られながら暮らしていた。あるとき畳替えを頼んだ出入りの職人六助の取り持ちから、昔馴染みで菓子問屋に婿入りしている米松と人目をはばかる仲となる。夫に従順だったおけいが、逢瀬を重ねた末に行き着いたのは…。江戸市井小説の長編秀作。

著者等紹介

梅本育子[ウメモトイクコ]
1930年東京生まれ。昭和女子大附属高校中退。作家・吉田紘二郎の晩年を描いた『時雨のあと』で文筆生活に入り、以後は歴史・時代小説に専念。男と女の関係を淡白な中にも大胆に描く筆致が特色で、特に短篇の名手として知られている
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

真理そら

35
両親、兄に死別し帰る家のないおけいは大店の呉服商に嫁いで15年経ち35歳になった。夫・作兵衛の身勝手な扱いと店の慣習に縛られて暮らしていたが…という内容説明だけれど、作兵衛の独占欲の強さがおけいに窮屈さを感じさせるのは分かるが「身勝手な扱い」とまでは感じなかったので共感できないままに読み終えた。おけいも畳職人・六助も菓子問屋・米松も自分の生き方を模索するのはいいけれど、放り出された子供たちがかわいそうすぎる。2019/06/24

山内正

3
明日墓参りに着る物を用意し 出掛ける前に夫の世話をし化粧する 墓参りに化粧かと夫が おけいに 久しくご無沙汰申上げ候と書き 名も宛名も書かず帯に差し込む 大川に流すも風に吹飛ばすも良し 船から深川が生れた家がある あの時が一番良かった 墓に額ずき父、母、兄に話する 永代寺で食事し、そうですか米松さん室津屋の婿に 元気で居るのね 店の前で おいでなさいませ 米松の声が、目の前に居る 饅頭を買い急ぎ後にし振り返る こっちを見ている! 六助が迎えに連れて戻った 小さな窓が空いた気がした2020/10/10

山内正

2
寝しなに明後日畳替えを使いにと おけいに言い出す 昨年亡くなった姑のしきたりだからと 畳だけ離れた六助から頼む ニ年毎 戸締り周りが長すぎると 横になると上に跨がって帯を解かす 裏庭から六助が入って来て 事情を話し出すと女将さんより知って居るよと 慣れた返事を 帰った後部屋で手代と話し声が 暖簾分けと聞こえ あれが何もかも仕切って手が出せないと 顔が歪む 姑は良く六助に 気遣ってたのを思い出す 夫は、何を苛立つ昔の事をと問質す 体を抱きながら もっと気を入れて やるんだ 並の女なら三回はと 口走る誰の事?2020/05/19

山内正

2
六助に呼び出され茶屋に上がる 煙草をふかしながら何も言わない おけいは若い頃の米松への文を六助が 取り持つと言い出す 声を詰まらせ汗をかき女を好きになる 気持ちをこの年で始めて知ったと 若い頃の話をし始めた 祝いの酒で酔納戸で寝たら横に女がいた おまつだった 女房のおまつが 千鳥屋のかみさんが企んだ据え膳を 食っちまった あっしは色恋というのが珍しくて仕方がない 後でおまつが何度も子を堕胎したと聞いた 作兵衛ときっぱり切れる為に やった事だと呟いた後帰って行った2019/11/04

山内正

2
一年毎に畳替えを六助に頼むが遠くだ 嫁いで十五年姑の決めた仕来りがある 寝屋でさぁと横にならせ帯を解かせる 何時もの夫のやり方だ おけいの部屋の畳もついでにと頼むが 聞入れない なのに六助が明くる日 ここも旦那に頼むと言い出す 亡くなった姑のいい付けで六助と嫁の 面倒は見てやれと 昔の事に聴き正すと青筋立てて聞くなと その夜も横に寝かして帯を解かせる 途中にふと普通の女なら3度はと 言い淀む 夫の気に気に入らないやり方で気が萎える  普通の女ってお松さんの事と 行灯を消す!2019/10/21

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