双葉文庫<br> 乱れ恋

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双葉文庫
乱れ恋

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  • サイズ 文庫判/ページ数 288p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784575660999
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

内容説明

「俺も暮らしが楽じゃねえ。おめえのところで酒を飲ましてもらうのが一番の楽しみなんだ。女房みたいな積まりでいるんだ」―なぜか今夜は辰之助の言葉が身にしみる。もんは小娘の時分から坊さんに身を売っていた。提重という女郎である。男はもんを抱き金を貰うと寒風の中を出て行った…。(『乱れ恋』より)他に珠玉の七篇を収録する傑作短篇集。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

山内正

3
売れっ子のあたしゃまだ眠いよ  獄門を見に行くってかい 母を幼く無くし幼く奉公に出され 年頃に父が売って金を手に  最初の男が身体に入れ墨して 貸元へ売り飛ばした  下から代官手代が来たと 男をでっち上げの罪で獄門にした 自慢気に 次は升吉を嵌める積り お前が飲ませて酔わせたなと 外で会うと誘い嘘の病気を気遣い   大事にしろと 店来てよと 酒を飲ませ足を広げ男の前で泣く   こんな女でも好きになってくれるかぇ あんたを消そうと男がいるから 寄場に気をつけてと 俺が生きてたら姐さん夫婦に と店を出た2022/03/18

山内正

3
内股を日にさらし煙管で一服 煙がおもてに流れる 女達は海水を汲み肌の奥を洗う 源さんが来る日を楽しみに 生きている 小ちかは肌脱ぎになり陽を浴びる 自分の子が若い地回りに狙われていると 酒買ってきなやな目でおっ母を馬鹿だと思ってるだろう 他の女郎が、聞いたんだけど 江戸で大火事があって何人も死んだってと  若い男にお前さん若い盛の女に変えなよと言い出す 源之助の船が来るんだよ 源之助は船にあげ小ちかと酒を飲む 抱こうとしないで 金があれば女郎辞めて食って行けるかと聞く  この浜がいい根っから 女郎が2022/02/13

山内正

3
髪はふさふさ黒くふっくらした顔遠慮がちの目鼻 風に吹かれゆっくり煙草を燻らす いつか源さんの船が鳥羽の港小ちかに子供が近づく面倒は一切見ない 姐女郎が私みたいになったら抱いてもくれやしないと愚痴る 江戸じゃあ火事で人が大勢死んだと 深川の焼跡で源之助は何処に行ったか知りませんかと訪ね回った 義母は息子三之助に後を譲って安心させとくれと父に 父は源之助に継がす積りだと突っぱねた事を思い起す もう終わりだ残っちゃいない 源さんの船が沖に 私だよー源さん お前を救うのは金か、この浜がいいのか、子を守ってやれと 2020/10/04

山内正

3
手代徳左衛門は老舗の若旦那に声掛けられ 帯を欲しいんだが 店には内緒でと誘われ 呑み屋に誘われ所で以前母娘と茶屋で話 してただろう?と聞かれる 客の接待で船宿で芸者に誤って 酒を掛けて謝った事があり 小蝶と出会う 又茶屋に来て欲しいと 手代風情がと躊躇うが小蝶の事が 忘られず小銭を持って茶屋に 母が今度から別の店でと訳ありに 徳左衛門は手代の身で何処までと 恐ろしくなる2019/09/02

山内正

2
筑波山を見るのが好きと毎日 女郎のお絹は寄場の罪人の晒首なんか見に行かないと思う まだ小娘のお絹を借金のかたに 男に大蛇の入墨された 江戸から流れて寄場女郎を過す 入墨がまともな暮しを遠ざける 代官手代が来て弁吉という人足を 酒と女で借金させ咎人にさせると 林の中の祠で出会うと身体の具合がと抱き上げてもらう 他の男にない実のある男の匂いが 店に来て酒を飲み実はと訳を話す あんたみたいな人とならとお絹が 下へ降りしな 俺が生きてたらと 大蛇の彫物有ってもいいの? 2020/03/16

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