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秋の舞姫―凛冽たり近代なお生彩あり明治人 (新装版)

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  • サイズ A5判/ページ数 290p/高さ 21cm
  • 商品コード 9784575307061
  • NDC分類 726.1
  • Cコード C0079

内容説明

それは鴎外、森林太郎の青春であった。いや近代日本の青春そのものであった。明治二十一年九月、鴎外を追いかけて、単身横浜港に降り立った舞姫エリス―家と個人、国家と愛、日本と西欧のはざまで、鴎外の苦悩は遥か歴史を貫き、現代を照射する。第二回手塚治虫文化賞を受賞した傑作、待望の第二部。

著者等紹介

関川夏央[セキカワナツオ]
1949年新潟県生まれ。作家。主著に、『海峡を越えたホームラン』(講談社ノンフィクション賞)、『ソウルの練習問題』、『昭和が明るかった頃』(講談社エッセイ賞)など。2010年、業績全体に対して司馬遼太郎賞

谷口ジロー[タニグチジロー]
1947年鳥取県生まれ。漫画家。72年『嗄れた部屋』でデビュー。『遠い声』でビッグコミック賞の佳作入選。『犬を飼う』で第三七回小学館漫画賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

mm

23
これは森鴎外を通して明治を見通す巻。陸軍なので、乃木希典とか大山巌とか出てきます。エリスさんが日本に来ている所を書いて「家」というものの圧力、「義」という倫理観を表します。史実がどうかはわかりませんが、エリスさんと二葉亭四迷が絡んでいます。清水の次郎長も絡んでます。嘉納治五郎も絡んでます。広瀬中尉も絡んでます。漱石よりは少し前、若い明治の中で、始めて手探りで何かをつかもうとした人々の混乱と迷い、信念と情熱。命をかけた言葉の力。もう一回読んじゃおうっと。後、このシリーズまだ、3冊あります。2018/06/30

カピバラ

23
エリスと森鴎外のエピソードが読んでいて切なかった。2014/11/12

くさてる

19
高校の教科書に載っていた「舞姫」。文章の美しさと主人公のクズさの落差に友人と議論になったことを思い出す。今となってはあの短い「普請中」に鴎外の本音を感じるのだけど、この物語にその鴎外の視線が合ったのが嬉しかった。明治の文人を描いたこの物語から派生するものは、歴史、文学、人間の感情とさまざまだけど、谷口ジローの描線がそれらすべてを内包して、表現している。巧みである。2022/02/05

ぐずぐず

7
現代に生きる我々が、何の疑いも無く主体の根本としている「個人」という概念すら存在しない時代があった。 エリスの「家が考えるのですか」という台詞に胸を衝かれる。 下手な小説より読み応えがあった。2014/12/14

マッピー

5
ドイツ留学から帰国した鷗外を追ってきた、エリス。それは、エリスの独りよがりの恋ではなく、鷗外との約束だったのだ。しかし鷗外は家族を説得するどころか、家というくびきに繋がれることを自ら選んだ。エリスの来日を知っても会いにもいかず、弟の篤次郎や妹の婚約者である小金井良精(星新一のおじいちゃん)にエリスの説得を任せる。鷗外とエリスが会えずに(会わずに)いる時、エリスのそばにいたのが二葉亭四迷である。エリスが鷗外を信じ、鷗外の来訪を待っている間、二葉亭四迷は彼女の人となりをそばで見ていて、彼女に淡い思いを抱く。2015/03/11

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