出版社内容情報
外資製薬会社に身を置く凄腕ウイルスハンター・神原恵弥。ある博士の捜索を依頼されてT共和国にやってきたが、博士は殺されてしまう。一方、この国では全身を黒い苔で覆われて死んだ人間がいるらしい。ビジネスで滞在中のかつての恋人・橘は不穏な行動を見せる。恵弥が想像だにしない、これらの背景に存在するものとは――?
内容説明
東西文化の交差点・T共和国。この国で見つかった、全身に黒い苔の生えた死体。入国後に消息を絶った、気鋭の女性科学者。ふたつを結びつけるのは、想像の域を遙かに超えたある事実だった―
著者等紹介
恩田陸[オンダリク]
1964年宮城県生まれ。早稲田大学教育学部卒業。91年『六番目の小夜子』が第3回日本ファンタジーノベル大賞の最終候補作に選ばれ、デビュー。2005年『夜のピクニック』で第26回吉川英治文学新人賞と第2回本屋大賞、06年『ユージニア』で第59回日本推理作家協会賞(長編及び連作短編集部門)、07年『中庭の出来事』で第20回山本周五郎賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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starbro
249
恩田陸は結構読んでいますが、神原恵弥シリーズは初めてです。海外観光ミステリという感じで一気読みしました。最近の作品の中ではクセがなく一般受けしそうですし、バイセクシャルな神原恵弥のキャラは魅力的です。イスタンブールとかブルーモスクとか明らかにトルコが舞台なのがバレバレなのに、何故T共和国という表現に拘るのでしょうか?作者の意図が解る方がいたら教えて下さい!2015/06/05
紅はこべ
199
神原恵弥のキャラで読ませるシリーズかな。前2作は読んだけど、すっかり忘れていた。読み直すほどではないか。パンデミックが実際迫っている感がひしひし。人減らしに有効なのはパンデミックと戦争か。2015/10/24
ダイ@2019.11.2~一時休止
183
神原恵弥その3。まだ恩田作品をそんなに読んでいませんが今までの中では一番よかった。次は関根家シリーズを読もうかな。2015/06/12
Mumiu
138
濃いキャラたち。みんな仕事がデキてかしこくて美しい。憧れるね〜。ロケ地も魅力的。大きなスクリーン映像として映える。読者にあちらこちらヒントを与えつつの種明かし。奇をてらった感じもなく、一種の安心感や冗長さも加えながらもあまりあるキャラの濃さ。主人公の恵弥が特にすき。順番を激しく間違えてこれが最初になってしまったけれど、ほか2つもぜひ手に取りたい。2015/07/17
みっちゃん
126
図書館の順番がくるのを一年以上待ったがなかなか面白かった。主人公の恵弥と友人の満以外は誰が敵で味方か全くわからない、このもやもやした不安な感じ。振り回される愉しさを堪能した。しかもラスト、恵弥の言葉遣いで言うと「えっ!?あんたなの!?」の驚き。このシリーズは恩田作品の中では一応ちゃんとしたオチがあるので安心して読める(笑)のも良い。2016/08/19