恋仏

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恋仏

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  • サイズ B6判/ページ数 258p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784575238150
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

内容説明

おるんは火付けで家も身内も失う。自ら犯人を捜し始めた矢先、視力をも失ってしまう。哀しみに沈む日々を過ごすなか、おるんは庭職人・興三郎の優しさに救われ、しだいに心惹かれてゆく。だが彼は、従姉の許婚であった…。逡巡するおるんの耳に届いたのは、蔵に焼け残った恋仏の「燃やしてしまえ!」という声。静かに佇む仏は、いったい何を告げているのか―。

著者等紹介

浮穴みみ[ウキアナミミ]
1968年北海道生まれ。千葉大学仏文科卒。2008年「寿限無 幼童手跡指南・吉井数馬」で第30回小説推理新人賞受賞。受賞作を収録した『姫の竹、月の草 吉井堂謎解き暦』でデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

モルク

88
火事で家族を失ったおるん。焼け残っていた蔵で見つけた仏様、願えば恋を叶えてくれる恋仏だという。引き取られた叔父の家で、従姉妹の許婚を好きになり恋仏に願いをかける。恋の行方、付け火の犯人、仏像に纏わる話、様々なことがドロドロしてきて…おるんが従姉妹の許婚とその家の離れで密会し肉体関係を持つなんて、不義理で恨まれても仕方がないよね。おるんのことはあまり好きになれなかったけど、お師匠さんのはなしは情念という言葉が相応しい。2023/08/05

35
火災により両親と弟を失いひとりになったおるん。焼け残った蔵で見つけた“こひほとけ”とともに伯父の家に引き取られる。家族を失ったおるんが運命の恋を見つけて幸せ!みたいな話かと思いきや、後半ホラーでした。ホラー苦手なのに気になって最後まで読んでしまった。耳元でしゃりーんと聞こえそうで怖い…。2015/06/27

むつぞー

16
家族を失ってしまったおるんが視力も失ったなかで言葉をかわしていく興三郎へ思いを向けていく感じがとっても良いです。 見えているから気がつかない事は確かにあるし、見えないからこそ判るものは確かにありましょう。 しかし中盤からただの恋話ではなくなります。 恋仏は恋を叶えてくれるものなのか?幼馴染・お照の話を入れ、そして誰かを傷つけても欲しいと思う恋という美しいものだけでない、情念ともいうべき想い。 こういう感じがとっても良かったと思います。 個人的にはもったいない感がする所はありますが、でも面白かったです。2013/05/22

りこ

15
付け火による火災で家も家族も失った、おるんは、焼け残った蔵で偶然見つけた恋仏と言う名の仏像を手に気の合わない叔母と従妹の住む家に引き取られる。そこで出逢った従妹の許嫁と…。恋の闇は深く、光もまた眩しい。2015/03/20

バニラ風味

14
おるんは、火事で両親も弟も失った。お師匠さんの所で過ごした後、伯父の所に引き取られ、そこで運命的な出会いをする。一方、おるんと境遇が似た友人は、おるんが焼けた実家から持ってきた、不思議な仏像に願いをかけた。「しゃりーん」。しかし、仏像に祈った恋の行方は、思いがけない方向に行くのだった。おるんの恋も、然り。恋話、仏像のミステリー、火付けの犯人とは…、色々な要素が混じったお江戸物語。この表紙のちょっとミステリアスな女性の微笑み、こんな風に妖しい、一種、艶っぽい話です。2014/08/18

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