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山あり愛あり

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  • サイズ B6判/ページ数 198p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784575238044
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

内容説明

周三は大手都市銀行で不良債権処理に追われる日々を送った。20年勤務した後に早期自主退職した周三は、長らく封印してきた登山を再開するつもりだった。だが母子家庭支援のNPOバンク設立に関わってほしいと依頼される。周三も父親の顔を知らずに育った身だが、母親とは憎しみの果てに義絶していた。その母親が、いま死に瀕しているという…。元銀行マンが選んだ、新たな道。山に向かって姿勢を正す―。愛する山に恥じぬよう、一度きりの人生を歩んでゆく。共感と静かな感動を呼ぶ傑作長編。

著者等紹介

佐川光晴[サガワミツハル]
1965年東京都生まれ。北海道大学法学部卒業。出版社、屠畜場勤務を経て、2000年「生活の設計」(『虹を追いかける男』所収)で第32回新潮新人賞を受賞しデビューする。2002年『縮んだ愛』で第24回野間文芸新人賞、2011年『おれのおばさん』で第26回坪田譲治文学賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

おしゃべりメガネ

114
ボリュームの割に意外と‘疲れる’作品の印象でした。45歳で早期自主退職した元銀行マンが青年時代からの趣味、登山を満喫すべく第2の人生を謳歌しようとしますが、自分を捨てた母との葛藤を抱えたまま、時は過ぎ・・・という軸はしっかりしたストーリー展開なのですが、話の流れでシングルマザーをフォローするNPOの話が出てきますが、この部分が少し長かったかなと。作者さん本人はおそらくこの部分(シングルマザー支援)にチカラを入れて仕上げたかったのでしょうが、どうしても話の位置が中途半端になっており、伝わりにくかったかなと。2015/09/10

68
大手銀行を早期退職した周三は、故郷の松本に戻り、かつて夢中になった登山を再開する予定だったが、思いがけなくシングルマザー支援のNPOバンク設立に関わることに。出資者を求め策を練るファンドレイザーの話かと思いきや、自身の生い立ちや周りのひとの過去など色んなところから色んな話が出てきて、絡み合って、一体何がメインだかよくわからない感じでした。できればNPOバンクの設立の苦労とか、その後の支援の模様とかそういうの見たかったです。でも周三はじめ、登場人物のキャラクターが概ね魅力的だったので、もったいなかったなー。2016/03/05

ゆみねこ

49
一流メガバンクを20年務め早期退職した「大鉢周三」が、シングルマザー支援のNPOバンクを立ち上げるために奮闘する物語。母との縁が薄かった主人公だが良き先輩や友人、伯父に恵まれている。最後に母の愛情を感じさせられ涙が出そうになってしまった。やや主人公が堅物過ぎて人物的魅力が足りなかったかも?2014/05/12

あじ

24
この世とのお別れの日までに…和解すべき人と、これまでの事を綺麗さっぱり水に流して天に召されたい。★★★2013/05/28

えぐざんぽ

18
山を登山を愛するエリート銀行員が、45歳で早期退職。いくら何でもちょっと早すぎる気がして、自分の中では、どうしても50過ぎ設定に勝手に頭が想像してしまった。お世話になった弁護士の依頼でシングルマザー支援のNPOバンク立ち上げに尽力する事になる。自らも父親が誰かも知らず、愛情を示してくれない母親を憎み続ける。最後まで、母親の息子に対する感情は曖昧なままだった。NPO立ち上げの出資者説得の場面は面白く、主人公の実直な人柄が、読んでいて心地よかった。「山に向かって姿勢を正す。」背筋がピーンと伸びて、気合の入る素2013/02/26

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