内容説明
時代は末世、魑魅魍魎が跋扈する―人面獣魂のけだものが!影法師が吐き棄てた。何だと、この野郎、ふざけやがって!妖獣が美女の乳房を掴んだまま吼えた。かっと眼をむいた双眸が凄ざましい光をきらめかした。ふっ!影法師の薄い唇のはしに冷えきった蔑笑がにじむ。黄ばんだ照明に浮きあがった顔は、亡八静香のものであった。邪魔しやがって、ぶち殺してやる!醜怪な妖獣が、敵意をたぎらせ、牙をむいて睨みつけた。視線が直に絡みあった刹那、妖獣の面貌に驚愕の亀裂が奔った―アイドルが鳴咽し、政治家・宗教家が我欲に走る。それらに群がる魍魎の動き…卒塔場多魂、亡八静香を縦糸に編んだ人間真底の官能伝奇バイオレンス!