内容説明
「あん。いや…いや」裸身が、鮎のように身悶えた。「もう…とても…欲しい」船岡は分けて、押し入ってくる。霧子はのけぞり、声をあげた。こんなに乱れてもいいのだろうか、と思うほど、それからの霧子は陶酔に身悶えした。―翌朝。船岡はまだぐっすり眠っているようだ。霧子は半身を起こし、外をみた。快晴だった。吹雪がカラッと晴れている。「ねえねえ、起きて。いいお天気。これなら遊覧船も出そうよ」掛け布の上から船岡をゆすった。反応が鈍い。顔をみた。大理石のように蒼白い顔だった。瞳孔が、ひらいていた。―死んでいる!しかも、霧子を驚かせる装置は、ただそれだけにはとどまらなかった。「違う!違う!この人は、船岡ではない。この人は…!」―春まだ浅き琵琶湖と十和田湖を結ぶラブ・サスペンス!