内容説明
半年ほど前、彗星のようにデヴューした少女歌手・百代麗佳。その歌声には、聞く者の魂に喜怒哀楽の感情を刻みつける超感覚的な力があった。歌う曲はすべて驚異的ヒットとなり、テレビ、ラジオはおろか、カラオケ酒場からパチンコ店に至るまで、麗佳の歌一色に塗りつぶされた。コンサートに押し寄せた群衆は熱狂的で、「麗佳、麗佳」と絶叫し、それはあたかも麗佳のカリスマ性に酔い、妄信し，隷従する信徒のようであった。「なんとも奇妙な現象だぜ。日本列島どこへ行っても麗佳フィーバーとはな」東都新報芸能記者・武埴安雄は２０歳そこそこの歌手の異常な人気に、なんとなく陰謀めいた匂いを感じている数少ない者の１人であった。日本全土を掩う百代麗佳症候群。その背後でうごめく魔界の妖怪たち。大型伝奇ロマン第４巻・輪（チャクラ）の章！
