感想・レビュー
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miunac
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「ひとつの反措定」に提出された問題即ち①「政治と文学」端的にハウスキーパー問題②小林「蟹工船」多喜二と火野「麦と兵隊」葦平を戦争被害者として同じコインの表裏として見ること、は、少なくとも当時としてはとてもアクチュアルな問題であった。これに猛然と噛み付いたのが中野重治であるが、中野は①人生または文壇の先輩②日共の先輩、組織の上位者③平野が中野の愛読書であること④日共の公式主義・中央集権主義⑤共産党特有の組織からの脱落者に苛烈であること、を基に、極めて居丈高に平野をあしらった。どれがより重要かは今後の課題。2021/03/02