内容説明
地位、利益、知恵、名誉…世俗の価値を捨て去ったところに真の自由が存在する。人倫の規範を説くエリートの哲学・儒教を批判し、己を主張せず無心に生きる庶民の姿を肯定した荘子。彼が理想とした何ものにもとらわれない自由な生き方とは何か。禅の根本思想「一切皆空」「以心伝心」の教えにも大きな影響を与えた無為自然の哲学が語る、厳しい現実をしなやかに生きるための超越の思想。
目次
内篇(逍遥遊;斉物論;養生主;人間世;徳充符;大宗師;応帝王)
外篇
雑篇
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
陽之理
2
儒教的価値観を、「天の理を忘れた浮世のくだらないもの」、と笑い飛ばす。もっと大らかに生きよ、と。2015/05/15
Fuyuki Kawasaki
1
荘子の言葉を現代語に訳してまとめている本。原文と書き下し文も併記されている。 全体を通じて、人間は自然の一部であり、名声、金銭、生き死にこだわるのはちっぽけな事だという事がよくよく伝わってくる。 説教臭い孔子や孟子の教えに比べると非常にまったりしており、興味深い対比。 実践できるかはともかくなかなか面白い考え方だと感じた。2018/12/21