サー・ガウェインと緑の騎士―トールキンのアーサー王物語

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  • サイズ B6判/ページ数 256p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784562036059
  • NDC分類 931
  • Cコード C0097

内容説明

本書は、イギリスの中世に書かれた三つの物語を、『指輪物語』や『ホビット』の作者として有名なトールキンが現代の英語に訳したものを、さらに日本語に移したものです。

目次

サー・ガウェインと緑の騎士
真珠
サー・オルフェオ
ガウェインの別れの歌

著者等紹介

トールキン,J.R.R.[トールキン,J.R.R.][Tolkien,John Ronald Reuel]
1892~1973年。古英語および中世英語を専門とする言語学者(Philologist)。オクスフォード大学にて教鞭をとるかたわら、多くのファンタジー作品をてがける。『ホビット』に端を発した『シルマリルの物語』『指輪物語』など一連の「指輪」シリーズはとくに世界中を熱狂させ、現代を代表するファンタジー作家といわれている

山本史郎[ヤマモトシロウ]
1954年、和歌山県に生まれる。1977年、東京大学教養学部教養学科卒業。現在、東京大学大学院総合文化研究科教授。専攻はイギリス19世紀文学
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

syaori

42
表題作はアーサー王の円卓の騎士ガウェイン卿を主人公にした、挑戦と誘惑による試練の物語。人間は弱く、間違いや罪を犯しやすいものだけれども、だからこそ誠実な、魅力的な人間にもなれるのだと諭してくれるようでとても好き。なぜなら、物語の最初から徳の高い立派な騎士と賞賛され、またそうあろうと努めるサー・ガウェインが、真に誠実で汚れなき騎士として輝くのは、彼のわずかな「つまづき」とそれに対する悔恨のためなのですから。そのほか、悲しみと信仰を美しく結晶させたような『真珠』も、まさに一粒真珠のような作品で胸を打ちました。2017/09/07

スイ

11
表題作や「サー・オルフェオ」等をトールキンが現代英訳したもの。 ガウェインは、マロリー版なんかとは全然描かれ方が違うなー! 物によってこんなに違うのか…。 オルフェオはまさかのハッピーエンド。 ええーこんなバージョンもあるんだ…! 最後の、ガウェインが別れを告げる詩がとても良くてグッと来た。2019/06/11

hal

10
「指輪物語」のトールキンが、14世紀ごろの作者不明の作品を現代語訳したもの。「サー・ガウェインと緑の騎士」はアーサー王の甥である騎士の話。「真珠」と「ガウェインの別れの歌」は詩で、「サー・オルフェオ」はオルフェウスの神話をもとにした話らしい。ガウェインとオルフェオには、忠実で美徳に溢れる騎士たちと美貌の貴婦人と魔法や妖精が出てきて、実に後味が良い話になっている。特にガウェインは、ランスロットじゃこうはいかなかったろうなと思わざる得なかった。2019/08/11

りー

9
中世の英語で書かれた文をトールキンが現代英語に訳した、3つの作品を収録。①「緑の騎士」アーサーが新年を祝う宴にいきなり全身緑に装った騎士があらわれ、自分の首を斬れと言う。切ったガヴェインに、今度はお前の首を切らせろ、といい放ち、切られた自分の首を持って去っていく。色々な意味で、えっ?そうなの?と、吃驚する物語でした。②「真珠」亡くなった娘を偲ぶ父親が見た幻夢をうたった詩。よくわからない。③「サー・オルフェオ」ギリシア神話オルフェウスの冥界行きのイギリスバージョン。文化や価値観の違いを楽しむ本だと思います。2019/01/06

さとちゃん

7
表題作である「サー・ガウェインと緑の騎士」「真珠」「サー・オルフェオ」「ガウェインの別れの歌」が収録されている。中英語からトールキンが現代英語に訳したものをさらに日本語に訳したもの。日本語訳は山本史郎氏だからか、指輪物語やホビットの瀬田貞二氏訳とはまた趣が異なり面白い。映画「グリーン・ナイト」を観たことをきっかけに読み始めたのでサー・ガウェインの物語を読めたことも嬉しかったけれど、本書で「真珠」を読んだことは大きな収穫でした。2023/01/12

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