3000年の密室

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3000年の密室

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  • サイズ B6判/ページ数 355p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784562031016
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

内容説明

密室と化した洞窟で発見された片腕のミイラは、3000年前の“殺人事件”の被害者だった。しかも腕は明らかに死後に切断されていた。内側から閉ざされた洞窟で、いったい犯人はどうやって消え失せたのか?なぜ死体の腕を切り落としたのか?一方、多くの謎を持ったミイラの調査がすすめられるなか、発見者の一人が「奇妙な状態で」死んだ。現場には本人の足跡しかなく、自殺にしか見えない状況だったのだが…。はるか過去の殺人と現代の死、時空を超えて開かれた密室の彼方には、いったい何が見えたのか―新鋭が放つ渾身の書き下ろし本格長編ミステリ。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ひらちゃん

49
縄文人のミイラが発見された。しかも密室殺人。つかみはいい感じ。ミイラから読み解かれる出身、病歴など緻密な分析所見からして相当に困難を極めた事と思われる。ミステリー的には後一歩ほしいところである。しかしながら3000年の過去を紐解いた時、彼の歴史が見えてきて身近な存在となった。ミイラとなった彼は永遠に存在し続けるのに現在を生きる者はやがて消えていく。不思議な気がしてならない。2016/08/03

紅はこべ

30
『未明の悪夢』と鮎川賞を争ったデビュー作。両作とも特異なインパクトのある題材で、甲乙つけがたい。偶然洞窟で発見された縄文人男性のミイラ。洞窟は密室状態で、ミイラは他殺体。小説の主眼は、この後起きるミイラの発見者の不審死の謎に移り、ミイラ殺人事件の謎そのものは呆気ないと言ってもいい真相だが、縄文時代とコンピュータの中のヴァーチャル世界が一つの作品の中で繋がる壮大な規模の小説。一人の女性の再生の物語でもある。2009/12/25

鐵太郎

7
長野県の中部山岳地帯で、一体のミイラが発見されます。縄文時代末期の人類の死体。保存状態がよかったために、研究が進むにつれてその死に謎があることも。ここから始まる三千年前の一人の男の死と、現代の考古学会で起きた殺人事件。二つの事件が絡み合う、不思議なミステリです。語り手となる主人公のいだくトラウマとか、いささかネタはごちゃ混ぜのところはありますが、面白い。2014/09/05

Keystone

7
内側から閉ざされた洞窟で発見された縄文時代のミイラ。その発見者の一人が命を落とし…と、二つの殺人をめぐる物語。ミイラを調べてそんなことまで分かるの⁈と驚きの連続でした。ただ、考古学的な薀蓄が長くて、「早くもう一つの殺人起きないかなー」と思いながら読んでました…。ミステリー史上、最も時間のかかった密室トリックではないでしょうか。2013/04/12

tatakuma

4
3000年の昔、右腕を切断された男、長野ということで、国譲りの神話のタケミナカタノ神にまつわる話なのかなと期待していたので、そこには少しがっかりしましたが、色々と考古学の知識に彩られていて興味深く読めました。2014/12/22

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