感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Kouro-hou
20
「夜明けのバンパイア」以降ヤツらは変わってしまった。十字架が力を失った一方、不死であっても無敵とは程遠い身近な悩めるダークヒーローになったのだ。そんな彼らがモンスターとしてブイブイ言わせていた頃の懐かし吸血鬼アンソロジー。その為、引っ張って引っ張ってヤツの正体は吸血鬼だったのだ！ババーン！となっても「うん、読む前から知ってた」となるのは若干不幸か。元々アメリカ編のつもりだったらしく、ダーレスやブロックなどのウィアードテールズ絡みの作家が多め。内容も直球化け物退治からゴシック、SF、ユーモア系など種類豊富。2015/04/18
めがねまる
19
吸血鬼がちゃんと化け物してた頃の、アン・ライス以前の吸血鬼小説を集めた短編集。古典的な怪奇小説からユーモアもの、SFものまで幅広い。未読作品では、正気に返った吸血鬼の独白「炎の十字架」怪物然としているけど最後は切ない「わたしは、吸血鬼」が特に気に入った。古典編、イギリス編も読みたかったなぁ。2018/01/16
5〇5
8
1920から50年代に書かれた吸血鬼短編のアンソロジーである ♦ドラキュラ伯爵の伝説を継承した作品ばかりだ ♣怪奇、ＳＦ、ユーモラス、皮肉などのさまざまな色合いが楽しめる一冊になっている ♥そして、今もなお吸血鬼テーマの作品が書き続けられている事を思うと、その影響たるや如何ばかりか ♠吸血鬼はアイデアの尽きぬ希有なモチーフであり続けるのだろう。2023/07/18
酔花
5
テーマアンソロジーの難しさは、あらかじめヤツが出てくることが分かっているので、最後に正体明かされても「知ってた」としかならないことｗ そんなわけで、衝撃の正体！系よりも、少しひねった作品が楽しめました。ウィリアム・テン「夜だけの恋人」はサスペンスの高まりからの心温まる結末が良かった。ヴォクト「聖域」は2転3転した末、だれも救われない結末が印象的。ボーモント「会合場所」はアンソロジーの締めに相応しい、寂寞とした雰囲気がたまりません。2022/04/16
skellig＠topsy-turvy
3
ライス以前の作品から選ばれた、怪奇性重視の吸血鬼小説。レ・ファニュ風味、ブラックユーモア、変わり種、正統派、コミカル系、中世譚、SFなど多岐に渡る雰囲気で吸血鬼に浸れました。2012/06/07
