アジア発ビジョナリーシリーズ<br> 香港失政の軌跡―市場原理妄信が招いた社会の歪み

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アジア発ビジョナリーシリーズ
香港失政の軌跡―市場原理妄信が招いた社会の歪み

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  • サイズ A5判/ページ数 225p/高さ 22cm
  • 商品コード 9784561913177
  • NDC分類 312.223
  • Cコード C3036

出版社内容情報

松尾匡(立命館大学教授)推薦!
「企業経営モデルで財政緊縮・公務員削減・財界優遇
すべてどこかで聞いた話だ!」

香港民主化運動に関し日本での論調は、中国が強引に一国二制度の骨抜きを進めたことにあるという認識に基づいたものが多い。しかし民主化要求の背景に、植民地時代からの、財界の意向を汲んだ最小限の規制と所得再分配の結果、QOL(生活の質)が低下してしまった市民の強い不満があることはあまり語られていない。

本書は、建築物規制や住宅政策、高等教育制度など豊富な事例から、香港政府・公務員の市場原理重視をめぐる葛藤や、政策の負の影響を受けた市民の苦しみを、政府資料や報道に基づきありありと描き出している。日本や欧米など、規制や過度の所得再分配で経済活力が喪われた先進国もここ数十年に渡り、新自由主義的な政策を導入してきたが、本書で描かれたような副作用への十分な配慮が必要なことが分かる。また中国本土との関係についても、経済的利益を得るために香港政府が北京政府におもねる様子、その一方で北京政府の香港への高い評価も描かれ、両者の、決して一面的でない関係も示す。

香港が世界に誇ってきた、自由放任主義の下の力強い経済、そして回復力は、この危機を乗り越え維持できるのだろうか? 香港の内政を丁寧に論じた本書は、過去数十年にわたり世界の潮流となってきた新自由主義の負の側面を知るための第一級の資料となろう。

【主要目次】
序章  導入
第1章 基本法:奪われた権利
第2章 公共サービスに見る高官制度の失敗
第3章 脅威にさらされた民間住宅
第4章 不法バラックから「隠れた」スラムへ
第5章 失われた住宅建設予定地
第6章 市場に翻弄される学生
第7章 命の危険
第8章 中国本土をめぐる失政
終 章 結論

内容説明

香港民主化運動の底流にある、長く財界におもねり市場原理を過度に重視し続けてきた政府への不満。建物の管理に対する十分な規制がなく、放置された建物が突然崩壊(第3章)。公共住宅政策を放棄し市場任せにしたため、狭小住宅の蔓延止まらず(第4章)。大学定員を増やす代わりに作られた副学士制度。取得しても高卒と同等の資格(第6章)。この他、北京政府・地方政府との複雑な関係管理の失敗を含め(第8章など)、返還後の失政を政府資料・報道から緻密に描写。刻々と進む中国経済のグローバル化・強大化の影響も受けながら苦闘する香港の教訓は、日本および世界も学ぶところが多い。

目次

序章 導入
第1章 基本法:奪われた権利
第2章 公共サービスに見る高官制度の失敗
第3章 脅威にさらされた民間住宅
第4章 不法バラックから「隠れた」スラムへ
第5章 失われた住宅建設予定地
第6章 市場に翻弄される学生
第7章 命の危険
第8章 中国本土をめぐる失政
終章 結論

著者等紹介

グッドスタット,レオ・F.[グッドスタット,レオF.] [Goodstadt,Leo F.]
ジャーナリスト・研究者。英国のオックスフォード大学、マンチェスター大学で経済学を修め1962年に香港に赴任、香港大学で教鞭をとり(64~66年)、後に同大学のアジア研究センターで研究に従事した。1966年から10年間Far Eastern Economic Review誌の副編集長、1967~73年にTimes紙、78~88年にEuromoney誌の特派員を務めた。1989年に香港政庁のシンクタンクである中央研究組Central Policy Unitの責任者に任命され、1997年の中国返還まで政策提言を行った。中国への返還後は、ダブリンのトリニティ・カレッジを拠点に頻繁に香港を訪問して調査・研究を続け、多数の著書・論文を通じて中国・香港の政治・経済・社会状況を分析し発信した。2020年4月、ダブリンにて82歳で逝去

曽根康雄[ソネヤスオ]
日本大学経済学部教授。1961年生まれ。東京外国語大学中国語学科卒、同大学院地域研究研究科(修士課程)修了。学術博士。87年に野村総合研究所に入社、野村総研(香港)、野村国際(香港)で計11年間香港に駐在し、中国・香港の経済・金融・社会動向の調査・研究に従事した。2007年に日本大学経済学部に移り、中国経済の調査・研究を行っている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

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