出版社内容情報
極貧の暮らしを耐えに耐え、働きに働き、遂には息子を世界的な医者に育て上げた女の一生を、万感の思いを込めて描く力作。
【著者紹介】
1970年静岡県生まれ。著書に「こんな日には苗木を植えよう」「世界で1000年生きている言葉」など。
内容説明
極貧の日々を耐えに耐え、働きに働き、遂には息子を世界的医師に育て上げた、偉大な母の挫けることない祈りの物語。
目次
第1章 英世の幼少時代(わが子の大やけど;働きに働く;三ツ和小学校入学;小林栄との出会い;手術;高等小学校卒業)
第2章 少女シカ(祖母ミツとの二人暮らし;奉公;祖母の死;戊辰戦争;身勝手な夫)
第3章 医学への道(会陽医院の書生;志を得ざれば、再び、此地を踏まず;清作から英世へ;英世の渡米;産婆;シカの手紙;帰国)
著者等紹介
田中章義[タナカアキヨシ]
1970年静岡県生まれ。慶應義塾大学総合政策学部卒。大学一年在学中に「キャラメル」で第36回角川短歌賞。2001年国連WAFUNIF親善大使に就任。2012年以降NHK中部地方番組審議会委員を務めるなど、ラジオ・テレビでも活躍(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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sasha
7
壮絶な人生だわ。幼くして奉公に出て、結婚すれば旦那は酒飲み。借財は一向に減る気配はなく、自分の不注意で大火傷を負った息子を一生養い続けると決めた母。後に英世と改名する息子が、どんなに名声を高めようとも暮らし向きは一向に豊かにはならなかった。この母・シカさんがあってこその野口英世とその業績なんだよな。英世が一晩で留学費を散在したなんてエピソードはなし。全編感傷的な文章が物足りない。主人公はシカさんだからかな?綺麗なところばかりを集めた感じで少々物足りない。でも、シカさんの生涯は涙ものだ。2014/06/28
ゆうゆう
5
この親にしてこの子あり。シカさんが今の時代に生きていたら、起業家だったかもしれない。今の時代の感覚だったら、旦那を切り捨てて母子たくましく生きていたかもしれない。そんな印象を持った。子どもの頃読んだ伝記では、野口家の父がいたのかもすら記憶にないが、そういうことだったのか。感謝しか知らない母の子だから、どんな逆境にも耐え研究の道に進む事が出来たのだろう。親は、教育を与えるだけでなく、生き方を示すものかもしれない。2015/01/01
ともがら
4
子供の頃に偉人伝を読んだ 今この年齢でこのような作品を読むと泣けて泣けて… 一気に読み通してしまった 心が洗われるような方々ばかりだ2016/07/26
tetekoguma
0
偉人に偉大な母ありということで、野口英世の母シカさんのことを知りたいと思い手に取りました。シカさんは恵まれない環境で艱難辛苦を味わいますが驚異的な努力により未知を切り拓きます。またそれを支えた観音信仰があったようです。著者は角川短歌賞を受けたこともある歌人だからか、野口英世はじめ関係者が詠んだ短歌や漢詩がいくつか掃海されています。2023/11/19