出版社内容情報
いやいや出かけた教会のパンケーキ食い放題パーティーで奇妙な高揚感を感じてしまう男、毎晩赤ん坊を床に落とす夢を見る女、別れた女房の家の裏庭に穴を掘りに行く男……。短篇小説の達人の描く人物は、どこかネジがはずれたようでいて不思議な実在感を与える。13の短篇を収めた傑作集。
内容説明
別れた女房の家の裏庭に穴を掘る男、毎晩赤ん坊を落とす夢を見る女、教会のパンケーキ食べ放題パーティで心ならずもノッてしまう父親、シカゴの高架鉄道の車内で珍妙な芸術を演じてしまう車掌…。オフ・ビートな笑いにのせて贈るおかしなおかしな短編の数々。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
きりぱい
4
もしかしてこう来るか?と想像させておいて、一向に想像したように来ないという、普通のようで普通でない奇妙な話ばかり。表題作、「手がかり」「ネズミの町」「裏庭の穴」辺りが面白かったといえば面白かった、といえるのかどうか(ビミョー)。2017/02/24
ルナ
1
ネズミの街が最高。傷を負った子供2人がネズミを紙で作った街の中に入れて、弄ぶ。いわば、箱庭療法のようなことをする。悲しみを感傷的に描かないことで逆に悲しみを倍増させるのは見事。ラストも秀逸。2019/10/17
Holden Caulfield
1
本作も訳者買いの1冊、 初読作家で久々のタイムリー!! 正直 本作を手にとるまでロビン・ヘムリーの名前すら知らなかった、 できる事なら、 タイトルは訳さずに、 「オール ユー キャン イート」にしてもらいたかった、 それか「ポーランド袋」がベストだと(^_^;) 2019/07/22
じゅん
0
★★★★☆日常のなかで揺れ動く心情や関係性がうまく描けている。『ネズミの町』などはミルハウザーを彷彿とさせるところもあり、総じて子供が視点になった話がおもしろかった。後半の作品は作意がよくわからなかったものの、十分楽しめる。長編も執筆しているそうだが、日本での紹介はこの作品以降途絶えている(というかほとんど書いてないようだ)。こういう作品を出版してくれる白水社はやっぱり偉いなあと思った。2015/06/07