出版社内容情報
ローマの美少年皇帝ヘリオガバルスの破滅的(アナーキー)な生涯を、アルトーは詩的に演劇的に魔術的に、自身の言葉で語り尽くしてゆく。アルトー生誕100年、著作集刊行に合わせた改訳決定版。シュルレアリスムの色濃い、哲学的歴史小説。20世紀文学に飛来した、スピリチュアルな隕石。
内容説明
ローマの美少年皇帝ヘリオガバルスの破滅的な生涯を、アルトーは詩的に演劇的に魔術的に、彼自身の言葉で語り尽くしてゆく―。シュルレアリスムを潜り抜け、西欧の形而上学に決闘状をつきつける哲学的歴史小説。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Syujin Yukido
3
読み終えて、「生きててよかったあ」という感じは、正直ぼくにはない。つまらなかったかというと、そこそこおもしろかった。でも、夜もふけるのも忘れて読むというしろものでもない。のっぴきならない事情で読まなきゃならなくて読んだけど、読んでよかったとは思っている。作者はヘリオガバルスについての相当深い知識を読者の前提としているらしいが、澁澤龍彦さんの短編論文をもう一度読み返そうと思った。2018/03/22
空木モズ
1
詩と哲学と歴史がゴタゴタと混ざり合った本でした。ヘリオガバルスの生まれるまでとシリアの社会、彼の皇帝としての活動が書かれている。正直、巻末にある解説が無いと半分は訳が分からなかったと思うくらいに文章が詩だった。あと、私は元から女権社会に興味があったので、ますますヘリオガバルスと彼を形成した社会に興味をもった。2015/03/15
とまる
0
こんな知的攻撃力のある詩歌のようなものを書いたのは一体…と思ったらアルト―だった。2011/07/09