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内容説明
農業・農村の近代化が求められた昭和三〇年代、経営作物の転換・協同化や、農業を中心に食品加工業や商業が直結する活力ある町づくりを提言した「新生活運動」にかかわる講演、祭りや民俗芸能など貴重な自前の文化が失われていくなかで、農村と都市相通ずる文化再興の道を説いた講演など九編の講演を収める。
目次
新生活運動の前進のために
社会生活の変貌と新生活運動
祭りと若者
都会文化と農村文化
明日を信じて生きる
ふるさとの心
手づくりの地域文化
地域づくりと文化
日本文化における地方の意味
著者等紹介
宮本常一[ミヤモトツネイチ]
1907(明治40)年、山口県大島郡家室西方村(現・周防大島町)に生まれる。1927(昭和2)年、天王寺師範学校卒業後、小学校教師を経て、1939(昭和14)年、渋沢敬三に師事し、アチックミューゼアムに入る。以後、戦前・戦後の日本の農山漁村を訪ね歩き、膨大な記録・著書をまとめると共に、地域の未来を開くために住民たちと膝を交えて語り合い、その振興策を説く。1954(昭和29)年、全国離島振興協議会初代事務局長。1965(昭和40)年、武蔵野美術大学教授
田村善次郎[タムラゼンジロウ]
1934年、福岡県生まれ。武蔵野美術大学名誉教授。専攻は文化人類学、民具学。宮本常一の薫陶を受け、さまざまな民俗調査に参加する。現在、宮本常一の著作・編集に従事(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Nunokawa Takaki
2
2巻を借りようと思ったら間違って3巻を借りてしまったので3巻を先に読む。かつての日本は地域社会の色が強く、民衆のエネルギーも祭りや山車で綺麗に放出されていた。ところが時代が進むにつれ、人々は都会に出るようになり、他者とのつながりが希薄になっただけでなく、エネルギーが溜まり鬱憤する社会に変わってしまった。著者がこう嘆いていたのがもう40年も前になる。そこからまた更に社会は変わってしまった。だが意外にも、僕の地元では昔と同じように盛大に祭りが行われ、山車の威勢も見事で目を見張るものがある。地元愛が戻ってきた。2016/06/19
Hiroki Nishizumi
2
この巻も興味深く読めた。都会人と郷里との関係、共同経営について、祭りとはまつわるもの、廃刀令について、生活基盤があったから残った民俗芸能、など著者の言わんとすることがするすると入ってくる。そして特に印象に残ったのは次の言葉だ。「しあわせというのは、人が人を信頼し得ること、それができることだと思うんです」「大事なことは努力することです。でき上がったものはもうどうでもいいんです」「いつも思ってることは、いつか達せられる」2015/07/18
R
1
現在の日本に巨大都市と中世や近世の都市を同じものとみてはならない。宮本常一が歩いて回った農村は現在でも存在するのだろうか。2022/07/18