出版社内容情報
日本人の学力低下がとみに囁かれる中、「ゆとり教育」「落ちこぼれゼロ」の主旨のもとに大幅改正となった学習指導要領。はたして学生・生徒の学力、日本の競争力は維持できるのか・。現場教育者が子を持つ親の視点、日本の将来の視野から警笛を鳴らす。
内容説明
アメリカなどの先進諸国で、小学校から高等学校までの基礎学力を飛躍的に上げようという方向で教育改革を推進しているとき、わが日本では、いっそうの「ゆとり教育」が推進され、授業時間数、学習内容などを大きく削減する方向での教育改革が進められている。本書はそのような中で、文部科学省が進める教育改革をクールに検討しようとするものだ。執筆は、科学、科学教育、技術教育、科学教育や数学教育と関連した教育方法学を専門にしているメンバーによって行なわれた。とくに、理数教育や技術教育に関心が高いメンバーである。文化としての科学技術を楽しむためにも、社会の隅々まで浸透している科学技術とうまくつきあうためにも、小学校から高等学校までの共通カリキュラムの中で、教育内容に取り上げられる科学技術の質と量がどうなっているか、どうなっていくかについて深い関心を寄せざるを得ない。この問題は、国民すべての問題である。
目次
第1章 2006年の教育シミュレーション(ゆとり教育で授業崩壊が進む小中学校;高等学校は二極分解 ほか)
第2章 理数力は落ちているか?―調査結果や報道に見る(理数力低下の実態;国際比較に見る日本の理数力レベル)
第3章 新しい学習指導要領とその影響(学習指導要領とは何か;今回の変更のねらい ほか)
第4章 これからの日本をどうするか(階層差の広がらない社会に;アメリカ教育の失敗部分の真似から脱却を ほか)
著者等紹介
左巻健男[サマキタケオ]
1949年生。千葉大学教育学部卒業、東京学芸大学大学院修士課程修了(物理化学、理科教育)。東京大学教育学部附属中等学校教諭を経て京都工芸繊維大学教授(アドミッションセンター)。中学理科・高校理科教科書編集委員(東京書籍)。専門は、理科教育、教育方法
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。