日経ビジネス人文庫
遊牧民から見た世界史―民族も国境もこえて

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  • サイズ 文庫判/ページ数 465p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784532191610
  • NDC分類 209
  • Cコード C0122

出版社内容情報

ユーラシアを舞台に草原の民の視点から世界史を描き直す快作。辺境にいて時折定着民国家を脅かす侵略者というイメージが一変、遊牧民こそが地域を結び、世界史を成立させてきたことがわかる。歴史常識を覆す一冊。

内容説明

中央ユーラシアは「東西文明の十字路」などではなくそれ自体が高度な文明を誇る地だった。スキタイ、匈奴から、テュルク、ウイグル、キタイ、モンゴル帝国まで、膨大な原典史料をもとに草原の民の視点から世界史を描き直す傑作。

目次

1 民族も国境もこえて
2 中央ユーラシアの構図
3 遊牧国家の原型を追って
4 草原と中華をつらぬく変動の波
5 世界を動かすテュルク・モンゴル族
6 モンゴルの戦争と平和
7 近現代史の枠組みを問う

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

雲をみるひと

24
記録を残していないため研究が進んでいなかったものの世界史に大きな影響を与えた遊牧民視点での世界史。全体的に目から鱗の内容だが、特に前半部の総論から古代史に至る箇所が、網羅されている地域も広く参考になる。一方、後半は中国史各論のような内容。こちらも遊牧民系王朝の連続性や漢人系王朝との力関係などが指摘されていて気付きは得られるが、中国史に興味が無ければ読み進めるのが苦しくなるかもしれない。2024/02/07

りー

8
はぁー。やっとのことで一応読了。「国家は固定されて動かないという通念は、農業国家や都市国家、さらには、近代西欧以後の国家イメージである。」という視点で、ユーラシア大陸に勃興した遊牧国家を追った野心的な本。1997年刊。現在、研究が進んで変わった部分があるにせよ、スキタイ~モンゴルまでを“ざっと通して見る”という意味で、とても勉強になりました。匈奴→フン→ゲルマン→西ローマを滅ぼした玉突きから興味を抱きましたが、そこに留まらず従来の西欧・中華で語られる歴史感を見事にぶち壊してくれました。壮観。要再読(^^;2019/01/20

おおかみ

5
歴史観を覆された、というと大袈裟に聞こえるかもしれないが、率直な感想なのである。たとえ僕が高校時代、しっかりと世界史を勉強していたとしても、本書で明かされるユーラシアの史実は知らなかったのだろう。史料として残された歴史は、必ずしも客観的な事実ではない。本書で幾度も指摘されている「中華主義」「文明主義」「西欧中心主義」のように、一方的な歴史認識によって史実が歪曲され、史料を残さなかった側は不当な評価を受ける。そうして作られた「歴史」が今日まで残され、教育の現場で伝えられている。2009/04/30

しんさん

3
匈奴、鮮卑、柔然、突厥、ウイグル、契丹、モンゴル・ウルス。国境も民族も言語も宗教も超えた遊牧民たちの活躍に、痺れる憧れる~。何度も読みすぎて本がボロボロになってしまった。2016/03/10

piro5

2
「ローマ人の物語」以来のヒット。中華思想に囚われた従来の狭い視点を小気味良い批判的精神で粉砕し、東方の中国と西方のアラビア・ムスリムをつなぐユーラシア大陸という視点で臨む。モンゴル帝国が中国・ムスリムをも取り込んだ巨大な商業国家だったとは。定住・農耕都市を略奪した遊牧民というイメージは全く間違っていた。この衝撃は「ローマ人の物語」を超えるなぁ。歴史観が変わる(歴史観の視座を語る最後の章は得られるものはあるもののやや蛇足か)。いや、何にしても素晴らしい名著。2013/01/30

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