限界集落―吾の村なれば

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  • サイズ B6判/ページ数 358p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784532167394
  • NDC分類 611.91
  • Cコード C0036

内容説明

全国の山間部・島しょ部でいま65歳以上のお年寄りが半数を超える集落約7900。防災、教育、医療、公共交通の機能が損なわれ、農林業は廃れ、里が荒れている。菊池寛賞受賞のテレビ報道記者が岡山・鳥取県境の過疎の集落を3年間密着取材。たくましく生きる人たちを通して日本人の“心の過疎”に迫る渾身の力作ノンフィクション。

目次

はじめに―過疎を通り越した限界
プロローグ―中国山地の尾根にある村から
第1章 限界集落のくらし―全盲の農民作家のまなざし
第2章 限界集落の苦闘―蔓牛復活に人生を賭ける
第3章 何が限界なのか?―集落を成り立たせるもの
第4章 限界への挑戦―ぶどう栽培を地域の産業に
第5章 豊な限界の島―ゴミが降る島の10年後
エピローグ―限界を乗り越える意志

著者等紹介

曽根英二[ソネエイジ]
1949年兵庫県生まれ。早稲田大学卒。74年岡山の山陽放送に入社、アナウンサーを経て報道部記者に。80年から四年間JNN(TBS系列)カイロ特派員。瀬戸内海の環境問題や聾唖者裁判、イランイラク戦争など四つの戦争の取材にあたる。90年の産廃不法投棄スクープを皮切りにした長期間の香川県・豊島報道はTBS系の「ニュース23」「報道特集」などでたびたび全国放送され、中坊公平氏の島民の弁護活動とともに97年菊池寛賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

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ワッピー

25
過疎化という言葉が使われだしてから40年経過し、2007年の段階で人口の半数以上が65歳以上の高齢者となり、コミュニティが機能しなくなった「限界集落」は7878か所もあるとのこと。映像取材からの派生したためか、文章や論の展開がちょっと感覚的な面はありますが、消滅の危機にある集落に住む方たちの状況がよく伝わってきます。・・2013/03/10

まど

21
人口が減少し、経済が衰退し、福祉や教育も先細り。人口の50%が65歳以上の高齢者、過疎をとっくに通り越したのが限界集落。もっと進むと消滅集落。岡山の限界集落についてのノンフィクション。将来は自分の息子が中国とかに出稼ぎに行って日本全体が限界集落みたいになったら…なんて怖い妄想をしてしまう。蔓牛がんばってほしい。いつか食べてみたい。2010/10/14

渓流

3
世にいう限界集落に暮らす一徹者たちへの哀歌であり、賛歌。筆者の、村とそこに暮らす人々への眼差しは分からないではないが、リアリズムの視点が欠ける。30人の集落に20人の「闖入者」が来て、村祭りが復活しても消えゆく村の寿命がちょっと延命するだけ。子供がなぜ村を出て行ったのか、戻ってこないのか、感傷に浸る前に冷厳な現実をもっと語って欲しかった。村落の再生、農業政策の無策を言うのは分かるが、村の側にも甘えはなかったのか、確かに、田んぼトラストで頑張っている人々は居るがそれで村が一時的に笑い声に包まれてもねえ、2018/11/19

shushu

3
岡山・鳥取県境の過疎の集落に住む人々、集落を主に取材し、終盤筆者の取材してきた産業廃棄物不法投棄への処理運動で知られている香川・直島と瀬戸内海の離島を取り上げている。かなりのお歳の方も多く、既に亡くなっり離村した人もいるだろう。取り上げられた地域はどうなったのか。新規就農した人々は上手くいっているのか。気になった。直島に関わった中坊氏が弁護士を止めた後も訪問した様子も興味深い。2017/02/25

壱萬弐仟縁

3
幼稚園がなくなって、続いて小学校がなくなる。産業がないので、人を雇えない。病院が遠い。せつない現場の姿を想像せざるをえないが、NGOがサポートしたり、できることはしているのだが、すべて打つ手がなくなれば、最後の1世帯、1人にならざるをえない場合もある。生き残り戦略。これは、山下裕介氏の『限界集落の真実』と読み比べるとよいだろう。2012/05/04

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