出版社内容情報
《内容》 知覚,情動,学習など,あらゆる脳機能の総体を指し,生物の生存にとってきわめて重要な認知についての研究は,近年著しく進展し,分子レベルからの解明が進められています.本書では,この成果をふまえ,脳機能の変化が及ぼす精神疾患について検討し,治療への道筋を示しています.これまで別個の領域として扱われてきた傾向のある脳科学と精神医学の融合を図った意欲的な1冊です.
《目次》
■認知の神経科学
1.認知の分子遺伝学的基盤
2.認知の神経病理学的基盤
3.認知の神経化学的基盤
4.認知の神経生理学的基盤
5.認知の神経心理学的基盤
6.認知の神経回路基盤
7.脳機能画像からみた認知機能
■精神疾患と認知機能
1.痴呆症における認知障害
2.統合失調症における認知障害
3.感情障害における認知機能
4.PTSDにおける認知障害
5.注意欠陥/多動性障害における認知障害
■医薬品と認知障害
1.マイナートランキライザー
2.メジャートランキライザー
3.感情調整薬
4.アルコールによる認知障害
5.向中枢神経作用を有する薬物
■認知リハビリテーションの基礎科学
1.神経幹細胞と神経再生
2.神経突起の可塑性
3.神経回路の可塑性
4.神経組織移植と機能回復
5.霊長類の神経発達と可塑性
6.大脳皮質の感覚機能における可塑性―視覚障害と機能回復を中心に
■認知リハビリテーションの臨床
1.発達障害児への教育的訓練―自閉症の認知発達治療を中心に
2.精神療法
3.認知行動療法
4.言語機能リハビリテーション
5.運動機能リハビリテーション
6.高次機能リハビリテーション
7.電気刺激と磁気刺激
内容説明
本書は、認知のメカニズムと精神疾患におけるその障害と対策についての問題を取り扱う。人の行動は認知と記憶との統合により決定されるのであるが、行動決定に至るまでの脳内プロセスとその異常についての理解を深め、さらに多くの精神疾患における認知機能障害への対策をどのように進めていくかについての意欲的な試みを論じたものである。
目次
認知の神経科学(認知の分子遺伝学的基盤;認知の神経病理学的基盤 ほか)
精神疾患と認知機能(痴呆症における認知障害;統合失調症における認知障害 ほか)
医薬品と認知障害(マイナートランキライザー;メジャートランキライザー ほか)
認知リハビリテーションの基礎科学(神経幹細胞と神経再生;神経突起の可塑性 ほか)
認知リハビリテーションの臨床(発達障害児への教育的訓練―自閉症の認知発達治療を中心に;精神療法 ほか)
著者等紹介
松下正明[マツシタマサアキ]
東京都立松沢病院院長
武田雅俊[タケダマサトシ]
大阪大学大学院医学系研究科ポストゲノム疾患解析学講座プロセシング異常疾患分野(精神医学)教授
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