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マンガで読み解く宮沢賢治の童話事典

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  • サイズ A5判/ページ数 255p/高さ 22cm
  • 商品コード 9784490108712
  • NDC分類 910.268
  • Cコード C0095

出版社内容情報

こんなに面白く、こんなに不思議… 宮沢賢治の描き出す古くて新しい世界をマンガで読み解いた入門書

宮沢賢治の童話37編を人物・植物・宇宙など7カテゴリーに分けて配列。作品毎に原文を抄出し、賢治研究の気鋭による解説、マンガのポイント整理、さらにコラムで賢治の生涯を様々な切り口で紹介した賢治童話の入門的事典。

[1] 動物
 猫の事務所 コラム(賢治と津波の奇妙な因縁)
 ツエねずみ コラム(名家宮沢一族とは?)
 クンねずみ コラム(イーハトーブとディズニーランド)
 オツベルと象 コラム(農聖伝説の誕生)
 貝の火 コラム(問題児化する賢治)
 やまなし コラム(賢治と嗅覚)
 蜘蛛となめくぢと狸 コラム(親友・保阪嘉内との激しい友情)
 土神ときつね コラム(賢治と恋愛)

[2] 気象
 風の又三郎?@ コラム(風が吹くときに立ち現れるもの)
 ガドルフの百合 コラム(苦悩と不安の日々)
 蛙のゴム靴 コラム(二十五歳の家出と上京)
 水仙月の四日 コラム(月に三千枚の童話創作)
 雪渡り コラム(不思議な音の世界)

[3] 植物
 まなづるとダァリヤ コラム(個性豊かな賢治の妹弟たち)
 若い木霊 コラム(せいよく賢治と禁欲主義伝説)
 よく利く薬とえらい薬 コラム(賢治の〈奇行〉)
 黒ぶだう コラム(最愛の妹トシの死)
 どんぐりと山猫 コラム(賢治が目指した生き方)

[4] 宇宙
 銀河鉄道の夜?@ コラム(妹トシを偲ぶ樺太への旅)
  よだかの星 コラム(「あの世」を感知する賢治)
 烏の北斗七星 コラム(時代が変わっても「新しい」作品
 十力の金剛石 コラム(鉱石や山々に感じる独自の感性)

[5] 人物
 なめとこ山の熊 コラム(「心象スケッチ」という芸術)
 注文の多い料理店 コラム(注文の少なかった賢治の童話集)
 月夜のでんしんばしら コラム(常に父への反発をバネに)
 グスコーブドリの伝記 コラム(賢治と父母)
 虔十公園林 コラム(さまざまな宗教との関わり)
 毒もみのすきな署長さん コラム(賢治が描いた大人の世界)

[6] 教育
 鳥箱先生とフウねずみ コラム(理想の教育を目指して)
 銀河鉄道の夜?A コラム(「ほんたう〈本当〉」を求めて)
 風の又三郎?A コラム(農村における芸術の実践)
 フランドン農学校の豚 コラム(賢治の食へのこだわり)

[7] 芸術
 セロ弾きのゴーシュ コラム(賢治にとっての音楽)
 かしはばやしの夜 コラム(特殊な「共感覚」の才能)
 ポラーノの広場 コラム(賢治の壮大な宇宙的視点)
 鹿踊りのはじまり コラム(賢治とサラリーマン生活)
 マリヴロンと少女 コラム(賢治の死)

宮沢賢治略年譜/あとがき/参考文献/索引

内容説明

2016年は賢治が誕生して120年になる記念の年。本書は、賢治が書いた童話の中から37篇を選んで一部を抜粋して紹介。マンガでその情景をわかりやすく描写し、童話に秘められた“謎”を読み解いていく。読者を想像の世界に遊ばせてくれる興味尽きない作品入門事典。

目次

1 動物
2 気象
3 植物
4 宇宙
5 人物
6 教育
7 芸術

著者等紹介

山下聖美[ヤマシタキヨミ]
1972(昭和47)年埼玉県生まれ。日本大学藝術学部文芸学科教授、文芸研究家。日本女子大学文学部を卒業後、日本大学大学院博士後期課程芸術学研究科修了。博士(芸術学)

中村美公[ナカムラミク]
1992(平成4)年東京都生まれ。2015年日本大学藝術学部文芸学科卒業。在学中、二年次から山下聖美ゼミに在籍。ゼミ雑誌の表紙やポスターなどの制作を手がける。イラストやマンガでの表現を主とし、卒業制作では旧約聖書を題材にしたマンガを制作。『マンガで読み解く宮沢賢治の童話事典』がマンガ家としてのデビュー作となる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

かめりあうさぎ

26
賢治さんの童話の中から37篇を選び、その一部の抜粋と解説と漫画を付けた解説書。各話の後にあるコラムが何といっても素晴らしかったです。彼の人生観、宗教観、家族との関係など、童話が生まれた背景が良く分かります。最後のコラム「賢治の死」に、彼が最後まで書いていた原稿を指して「この原稿はわたくしの迷いの跡ですから、適当に処分してください」と伝えたとあります。元来病弱だった彼にとって死は決して遠いものではなかったように思います。彼の作品を理解するのは難しいけれど、少しでも思いに近づけたような気持ちになりました。2020/05/19

彼岸花

19
賢治の童話は、時として真意が伝わりにくく、私の中で迷走を続けるのですが…山下さんの解説は、時代背景や、彼の心象風景に近付くことができ、マンガも効果的で、分かり易い内容でした。自己犠牲の精神が色濃く、動物や植物を題材にしていますが、主人公に、作者の生き方を重ねています。代表作と呼ばれる『銀河鉄道の夜』は、文章が抽象的でやはり難解。何度でも読み返したいです。言うなれば、賢治の作品は、人知を超えた世界観であることのように思います。今の時代だからこそ、彼の世界平和を願う想いが、しみじみと伝わってきました。 2020/06/21

mm

15
宮沢賢治の大ファンというわけではないんだけど、知ってみたいという欲求からボソボソ読んでる童話色々。これは、本編抜粋2ページ弱・解説1ページ強・マンガでサビを描くのが2ページ・コラム1ページの構成で、37編を収録。コラムで賢治の個人史に色々触れられていて、賢治の親子関係に興味を持ちました。明治の時代なら社会的に適応しているとは言い難い賢治を切っているわけではないけど、認めてるのかどうかもわからない態度が、万年思春期を生んだような気がする。感性の豊かさっていうのも、この思春期っぽさと繋がってるよね。2016/10/26

MOTO

7
これまでどんな天才や偉人が現れたって、結果的に私達は私達の事をいまだに解明できてはいない。ただ、知ろうとも知らずとも生まれた以上いつかは死ぬ。ただそれだけの単純な事なのに、生と死の間を考えずにはいられなかった賢治。「ほんとうの事を知るには研究を重ねる事。」彼が残した童話に目を通していると、最も知りたがっていたのは人の心であり、自分だけが幸せだとしてもそんなものは真の幸せじゃない事に気付いていたから彼の苦悩は終わらなかったんだな、と感じた。 2020/09/01

ポメ子

6
宮沢賢治の作品37編を漫画と解説文で紹介している本。内容のテーマや、賢治の人生についても各編で、記されているので、両方に対して、理解が深まった。ネズミ3作は、昔もそうだったのかと感じたりした。2022/08/21

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