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創元SF文庫
世界の果ての庭―ショート・ストーリーズ

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  • サイズ 文庫判/ページ数 229p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784488744014
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

出版社内容情報

米国人学者と女性作家の出会い。若返る病に罹った母。異世界を彷徨う脱走兵。江戸の辻斬り。生まれては消え、広がる物語の断片。日本ファンタジーノベル大賞受賞作、文庫化。

内容説明

米国人の学者と出会った女性作家の独白。若返る病を患い、家出から帰ってきた母。本所深川に出没する謎の辻斬り。果てのない階段がある巨大な“駅”を彷徨う脱走兵。光という影と、影という光で造る、理想の庭。―繊細で美しい物語の断片が創る、庭園のごとき小説世界。翻訳家・アンソロジストとしても知られる才人の、第14回日本ファンタジーノベル大賞受賞作。

目次

リコとスマイス
「寒い夏」
不思議な詩
人斬り
ストーリー
母のこと

影の物語
成慶・淇園・成章
祖父のこと〔ほか〕

著者等紹介

西崎憲[ニシザキケン]
1955年青森県生まれ。作家、翻訳家、作曲家。2002年、『世界の果ての庭』で第14回日本ファンタジーノベル大賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ソルティ

185
連作短編のバラし?数種類の話がバラバラになって、続いているが各話は交差しない。これを遠いところから見たらパラレルワールド的で広い世界でSFのようである。実際SFとジャンル分けされているのに駅のような建物の話と若くなる病気の話くらいしかSF要素はないので、これはやっぱり全体で見て何となくSFかなーってことかも。「「弱い」のが好きというのは、自分が守ってやりたいということなのだろうか。(中略)わたしは「優しさ」にも弱い。それはわたしもやはり理解されたいと願っている証拠だった。(後略)」2019/03/09

kana

68
なんともいえない心地よい浮遊感をただ心ゆくまで楽しむのがきっと正解。多次元的に緩く繋がるショートストーリーズ(連作短篇集とも違う)の断片が散りばめられた本作は、まるで様々な雑誌を切り抜いて創った色とりどりの美しいコラージュのようです。著者の翻訳した『瓶の中の手記』がとても好きだったのですが、特に列車のプラットフォームが何層にも連なる世界を、影に追われながら彷徨う物語には同様な趣があり、その仄暗い世界観に妙にときめいてしまいます。すっきりはしないけど、読み終えてもまだ蒼い霧の中にいるような余韻が残ります。2018/05/25

南雲吾朗

61
すごく興味深く、面白く読めた。はじめは連作短編集だと気付かず。少しづつ日を置いて読んでいた。途中で気付き、もう一度初めから読み通した。 富士谷御枝の「いれひも」や渋谷緑童や日本の文学、文法を語るのと同時に、庭園の歴史、様式、庭園の意味合いも語られ、それに加え死後感の物語りも含まれる。それらが妙に合わさって一つの本になっている。互いに絶妙なバランスを取りながら物語は進む。この本は、本当に面白い。最後の解説を円城塔さんが、描いているが、その文章も、まさしく円城さんらしく、言葉遊びに富んだ面白い解説だった。2023/06/12

sin

57
これは物語自体の物語、物語のなかの創作、創作のなかの夢想、まるで夢の様な断片の物語。否!帰着する場所が定まらない悪夢の様…。ここで展開されるロジックに曰く物語は読むと云う行為がなければ成立しないそこには一冊の本が存在するだけ、しかし本として存在しているという事実は例え私が、または貴方が読まなくても物語が成立していると云うこと…と述べているかのようだ。2015/06/03

たまご

34
わかった感はまったくないんですが,家と庭と外とか,短歌の構造とか,複数の話がゆるくつながってそうな雰囲気とか,そこから新たに関係性を作っていくでもないちょっと緩い雰囲気とか,なんか,夢のまとまりのなさにいるような.そしてどこまで行っても果てないけど,果てと思えばそこは果てなのかも,とか.緩い感じが心地よい,なんて浅い感想でスミマセン.2018/05/26

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