創元推理文庫
消えた山高帽子―チャールズ・ワーグマンの事件簿

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  • サイズ 文庫判/ページ数 326p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784488480011
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

内容説明

西洋幽霊と日本の幽霊が連続して目撃された怪異。白装束を纏って剣を腹に突き立てていた英国人。歌舞伎役者を巻き込んだ山高帽子盗難の謎。鉄道開通に沸く観衆の中で叫び声を上げた女の悲しい過去。教会堂内で起きた密室状況下の怪死事件。―明治六年、文明開化の最中に起こる不可思議な事件を解決に導く特派通信員ワーグマンの活躍を描いた、江戸川乱歩賞受賞作家の連作推理。

著者等紹介

翔田寛[ショウダカン]
1958年東京都生まれ。2000年、「影踏み鬼」で第22回小説推理新人賞を受賞してデビュー。受賞第一短編「奈落闇恋乃道行」で日本推理作家協会賞候補に。08年には『誘拐児』で第54回江戸川乱歩賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

セウテス

80
江戸末期から明治に、記者として実在したイギリス人チャールズ・ワーグマンが、同領事館の医師ジョナサン・ウィリスをワトソン役に活躍した6作品の短編集。仇討ちやハラキリ、日本人と外国人の知識のギャップなど、この時代ならではの謎を組み込んだ作品である。どの作品もたいへん魅力的な設定であるが、ワーグマンが知りえた情報が、全て読者に明らかになっていないと思う。よって想像出来きても、推理にはならない勿体なさを感じて仕舞う。その中にあって「ウェンズデイの悪魔」は、設定の珍しさ様々な伏線、ラストの衝撃に余韻と傑作だと思う。2021/03/16

NAO

55
江戸末期から維新後の激動する日本をイラストレイテッド・ロンドン・ニュースで報道し続けた実在の記者を主人公として、横浜の外国人居留地周辺で起きた事件の真相を解明する5つの連作短編集。新聞記者ワーグマンの相棒は医者のウィリスで、こうなると思い浮かぶのがシャーロック・ホームズとワトソン博士。西洋と日本双方の幽霊が出たという話や、西洋人が日本式の切腹をしたという話、歌舞伎役者の粋な図らいが西洋人の恋人たちを救う話など、どれも、和洋折衷、レトロモダンな雰囲気。それでいて、表面上の明るさの背後に潜む闇も感じられる。2023/12/21

RIN

17
実在する明治初期のイギリス人記者ワーグマンを探偵役に据えたミステリ短編集。当時の時代の雰囲気や異国人と日本人(意外に開放的)との交流も微笑ましくていい感じの物語。北森鴻さんの『なぜ絵版師に頼まなかったのか』や柳広司さんの『漱石先生の事件簿』が好みな方にはおススメ。ただ、どこか切なさが漂う北森作品やシニカルなおかしみが絶妙な柳さんの確立した独特の作風の境地にはまだ至ってない感じでもあり、この路線の次作を期待したいところ(偉そうに言ってしまってすみません)。2012/11/15

本木英朗

15
日本の本格ミステリ作家のひとりである翔田寛の中の一作が、この作品である。もちろん俺は今回が初めてであったが、どうだろうか、うーん。やはり作品そのものは、ちょっとだろうか。チャールズ・ワーグマンという英国の探偵自体は、なかなか良かったが、推理の方がねえ、うんうん。ちょっとこの作品はこれ一作だけかなあ、と思う今日この頃である。2019/09/24

ちゅう

6
葉室麟の星火瞬くを読んでいたので、前口上で東禅寺事件が出て来てすぐに、時代背景や、横浜居留地が思い浮かび、話の世界には入り込みやすかったのですが、ワーグマンを始め、主要人物に魅力が足りない気がします。横浜居留地で起きる事件を、新聞記者のワーグマンが、医師のウィリスをワトスンにして解き明かす、短編集。2019/10/06

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