創元推理文庫
心のなかの冷たい何か

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  • サイズ 文庫判/ページ数 363p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784488417024
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

内容説明

失業中のわたしこと若竹七海が旅先で知り合った一ノ瀬妙子。強烈な印象を残した彼女は、不意に電話をよこしてクリスマス・イヴの約束を取りつけたかと思うと、間もなく自殺を図り、植物状態になっているという。悲報に接した折も折、当の妙子から鬼気迫る『手記』が届いた。これは何なのか、彼女の身に何が起こったというのだろう?真相を求めて、体当たりの探偵行が始まる。

著者等紹介

若竹七海[ワカタケナナミ]
1963年東京生まれ。立教大学文学部史学科卒。91年「ぼくのミステリな日常」でデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ダイ@2019.11.2~一時休止

115
若竹七海その2。途中から手記か現在の方かがよくわからなくなって少し混乱。2015/12/16

セウテス

88
【若竹七海シリーズ】OL若竹七海の「僕のミステリな日常」と共に、1990年に作られた初長編。会社を辞めた七海は、旅行先で一ノ瀬妙子と知り合う。東京に戻り、クリスマスイブに約束をした2人だったが、妙子は自殺未遂で入院してしまう。人はありたい理想の自分と、現実の自分の間に落差が多い程、ストレスを感じるのだろうか。ありのままの自分で生きられない人ほど、心の中の冷たい何かが溢れてくるのだろう。物事には明暗2面が在り、それを包括して表すのがミステリの醍醐味だと思う。しかしその心の痛みを、笑い飛ばして生きたいものだ。2023/01/24

森オサム

76
著者長編デビュー作、でありながら文庫化まで15年を要し、その後重版が掛かっている様でも無い。それが市場の評価かも知れませんが、読む価値は有ると思う。ダークでヘビーなストーリーと登場人物の狂気には、ウンザリして気が滅入る。その上、作中作(手記)物なので、複雑で長くなり分かり辛い。それでもおススメするのは、明らかにその後の葉村シリーズに直結する作品で有るから。気分が悪くなる共感出来ない醜悪な事件を、誰にも頼まれていないのに、決して諦めずとことん追及する。しつこいです、騙されます、殴られます、ね、葉村でしょ?。2020/05/24

さっこ

62
「若竹七海」シリーズ第2弾。中編2編の連作。旅で一度知り合っただけの女性が自殺未遂をし、彼女から「手記」が送られてきた。手記に沿いながら事件を追うのだけれど…。なかなかの叙述トリックで第1話の最後はあっけに取られ「そうかー」と唸りました。第2話はさらにその手記を深く掘り下げながら真実に対峙します。けっこう重い内容だけど、今の若竹さんらしい言い回しが随所に見られました。2020/07/23

たか

59
『若竹七海シリーズ』第2作目。 前半の手記では、書き手が誰だか分からないうえ、不自然な描写がちらほら。叙述トラックの匂いがぷんぷん。 後半では、手記とは異なる事実が徐々に明らかになり、手記を書いた人物がどんな想いで描いたか、人間の闇の部分が明らかになる。タイトルどおり、悪意や狂気、憎悪などの心の中の冷たいものが、この物語全体に暗く漂っている。讀後感もずっしりと重い。C評価2020/07/02

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