インディギルカ号の悲劇―1930年代のロシア極東

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インディギルカ号の悲劇―1930年代のロシア極東

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  • サイズ B6判/ページ数 313p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784480856340
  • NDC分類 238.07
  • Cコード C0022

内容説明

1939年12月北海道猿仏村沖合で、漁期を終えた漁夫乗船のソ連船が座礁、多数の死者を出した。が実は、船はオホーツク海の死の船として恐れられた囚人護送船であった。本書は、その囚人護送船の謎からスターリン体制下の強制収容所の実態を探り、1930年代ソ連を照射する壮大な意欲作である。

目次

1 インディギルカ号の謎
2 ダリストロイの成立
3 黄金のコリマ
4 大量抑圧・大量護送
5 臨戦体制下の極東
6 インディギルカ号の悲劇

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

印度 洋一郎

4
1939年12月に、北海道の北部で起こったソ連の貨物船の遭難事件を、その背景から分析している。日本では専ら「人命救助の美談」として知られているが、この船は極東の強制収容所の囚人達を乗せていた事は長らく知られていなかった。極東で発見された金鉱を開発する労働力を調達するために強制収容所が利用され、その"成果"に基づき、30年代のソ連経済が強制収容所の低コストの労働力に依存するようになったという。スターリンの大粛清も、その強制収容所に依存した経済発展に寄与していたらしい。革命後のソ連極東趨勢の記述も興味深い2015/05/27

takao

2
ふむ2023/02/13

Arte

0
1939年北海道の北端で座礁したソ連船がコルイマ帰りの船で、多数の釈放された囚人が乗っていたが、脱出しようとしたら撃たれたりして、半数以上が亡くなった、という話から、当時のソ連の極東について概観した本。スターリンが金鉱に関心を持っていて、アメリカの小説まで参考にしていたとは。まとまりはないが、色々と興味深かった。2015/06/18

0
1939年12月北海道猿払村沖合で沈没した旧ソビエト連邦貨客船の話。ref:『グラーグ57』.out:『復讐する海 捕鯨船エセックス号の悲劇』2011/05/21

深窓

0
1939年に北海道オホーツク海に臨む猿払村でソ連船が座礁し多数の犠牲者が出たという事故。実は乗船者たちがシベリアの金鉱山での強制労働から解放された人々だったということが後に判明し、その背景を追った本。スターリンがシベリアの金鉱山開発に熱心に取り組み、アメリカから技術者を招聘したり留学させたりと意外だった。当時のソ連の極東開発体制が伺える内容だった。2021/11/11

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