かしこ 一葉―『通俗書簡文』を読む

かしこ 一葉―『通俗書簡文』を読む

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  • サイズ B6判/ページ数 376p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784480814104
  • NDC分類 915.6
  • Cコード C0095

内容説明

明治の暮らしおんなの機微。夏っちゃんは、これに小説のタネと生命を使い果たしたんでした…。生前唯一の刊本『通俗書簡文』を読み展げる、渾身の書き下ろし。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

双海(ふたみ)

17
一葉の生前唯一の刊行本「通俗書簡文」にまつわる本。ここで言う「通俗」とは「一般向き」の意。本書に「梅見(うめみ)に誘ふ文(ふみ)」という文例がある。桜の花見と梅の花見。梅見は明治末頃になると、その風習が廃れてきたと永井荷風がどこかで書いている。帝都(東京)は都市化とともに梅を失っていったという。明治期の梅林、見てみたかったな。私は年を長ずるごとに梅が好きになってきた。森まゆみさんの著作は労作が多いと感じる。勤勉家でいらっしゃるのだろう。私にとって安心して読むことのできる数少ない文筆家でもある。2018/02/24

mawaji

8
陳者三上延著ビブリア古書堂の事件手帖III〜扉子と虚な夢~にて紹介されし通俗書簡文原書はいさゝか六づかしくおもひ居り候処参考文献の書物ならば必ず読み易かるべしと思はれ手に取り候務めて叮嚀かつおもしろげなる内容に御座候へば著者の一葉に対する愛情と尊敬の念もいかばかりかと御察し申され候愛子をうしなひし人のもとには子のなき一葉に候へど亡き子を思ふ親の心情に滂沱のなみだ無くして読むこと能わず恰もひとつの掌編に心なぐさむ心地に御座候一葉の文は声に出して読めばまた一層心地よう感じらるることと存じられ候適当候文御免不一2022/08/13

マカロニ マカロン

6
個人の感想です:B。明治29年(1896)11月に24歳で亡くなった一葉が5月に生前唯一の刊本となった手紙の文例集。「通俗」とは「わかりやすい」という意味で、新進気鋭の作家に女性向けの文例集を書かせるのは下田歌子、与謝野晶子らも手を染めている。生活費を稼ぐため『たけくらべ』の手直しをする傍ら、生活費を稼ぐため著作を進めたようだが、無理したことが死期を早める結果になってしまったのかもしれない。初版では著作者は博文館社長大橋乙羽になっていたが、一葉の名が高まると樋口なつ子に替えられ、明治末までに35版を重ねた2020/12/26

チタカアオイ

0
【図書館】2022/08/14

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