出版社内容情報
唯物史観、全共闘、ナショナリズムを論じ、新興宗教への独自の見解を展開し、高度消費社会とは何か、どんな時代なのかを考察する講演録十一篇。
内容説明
唯物史観、ナショナリズム、普通に生きること。すべてをつなぎ、語る、思索の営み。
目次
1(廣松渉の国家論・唯物史観;25年目の全共闘論―『全共闘白書』を読んで;ナショナリズム―国家論;「ナショナリズム」について;現実存在のわれわれ)
2(社会現象になった宗教;わが情況的オウム論)
3(消費が問いかけるもの;いま、どんな時代なのか;普通に生きること;現代社会と青年)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
amanon
2
あまり一貫したテーマがなく、包括的な感想を述べにくいというのが正直なところ。冒頭の廣松論も期待して読み始めたのだけれど、幾分肩透かしを食らった感が否めない。また、60年代に行われた講演はやはり現在にそぐわず今日的な意味があまり感じられない。それに比べると宗教論のほうがまだ興味深く読めたか。オウムの問題は時代的制約があるものの、宗教そのものを考えていくうえで、示唆するものが少なくないと思う。また、消費社会についての考察は、格差社会が極限近くまで来た今日からすると、逆説的な意味で読む価値がある気がする。2019/05/04
大熊真春(OKUMA Masaharu)
0
よく知らんのだけれど吉本隆明さんといえば大学入試問題によく使われるえらい評論家らしいし、タイトルからして「オウム」のことが書いてありそうなので読んだ。●「オウム」については地下鉄サリン事件後数か月しかたっていないこともあり、自信なさげ。●しかし、すぐわかったふりで決めつけた評論をする人より真面目なんじゃないかな。2016/07/21