内容説明
日本の近代の未明から確立までを身をもって生きたこの“双璧”に通底する〈エートス〉を、作品の表現と構造に即して明晰に読みぬく。「舞姫」「牛鍋」「雁」「阿部一族」「高瀬舟」、「吾輩は猫である」「現代日本の開化」「こゝろ」「明暗」等をめぐる卓説27編。
目次
森鴎外(「舞姫」・その前後;反時代の小説「そめちがへ」;私小説の意図;「牛鍋」;〈共同体〉のレミニッセンス―「カズイスチカ」と「百物語」;「妄想」の地底―漢文体の世界 ほか)
夏目漱石(漱石・人と文学;「吾輩は猫である」;「坊っちゃん」;人生と夢;ワトソンは背信者か―「こゝろ」再説;漱石山脈の綾線 ほか)