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ちくまプリマー新書
古代から来た未来人 折口信夫

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  • サイズ 新書判/ページ数 143p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784480687845
  • NDC分類 910.268
  • Cコード C0239

内容説明

古代を実感することを通して、日本人の心の奥底を開示した稀有な思想家折口信夫。若い頃から彼の文章に惹かれてきた著者が、その未来的な思想を鮮やかに描き出す。

目次

序文 奇跡のような学問
第1章 「古代人」の心を知る
第2章 「まれびと」の発見
第3章 芸能史という宝物庫
第4章 未来で待つ人
第5章 大いなる転回
第6章 心の未来のための設計図

著者等紹介

中沢新一[ナカザワシンイチ]
1950年山梨県生まれ。東京大学大学院人文科学研究科修士課程修了。宗教から哲学まで、芸術から科学まで、あらゆる領域にしなやかな思考を展開する思想家・人類学者。現在、多摩美術大学芸術学部教授、芸術人類学研究所所長(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ゆう

29
ちくまプリマー新書。折口信夫の入門書ではありますが、中沢さんの野心がなかなか壮大であるため、中沢新一学たる部分も多分に混じっていると思われる一冊。本書の野心がなかなか壮大であると感じられたのは、タイトルにあるように、古代を幻視した折口学を、未来に開いていこうとする試みのもとに書かれているからです。そこで主に語られるのは、従来の宗教を超越した、超宗教としての神道。打ち立てられた概念があまりに大きくたじろいでしまいますが、ムスビの神を基底として日本文化を捉え直す、その着想は興味深く魅力的だと思いました。2019/10/06

かふ

24
古事記や日本書紀よりさらに遡って縄文の頃の古代人との通路を押し開いた折口信夫という思想家を中沢新一が解説。まだ「かみ」と呼ばれる前は「たま(魂、霊魂)」のよろずの「精霊」が、そそれは盆踊りのような渦巻を作って踊りその中心に魂を呼ぶ祭。その精霊は鬼の姿を模するものが多い。それが南洋の精霊と結びつくのか。そうした鬼のような異邦人を「まれびと」と呼ぶのだが、折口の「まれびと」論には師匠である柳田國男は批判的だったという。柳田の民族学が共同体に同質なものを求めたのに対して、折口は外部との接触を求めた。 2019/12/06

たかぴ

23
「死者の書」を一度挫折したので、折口信夫がどういう人物かを知るために読みました。日本の宗教観を多少なりとも知ることが出来ました。もう一度「死者の書」を挑戦します。ありがとうございました。2022/02/22

紫羊

23
作者は若い頃から折口信夫の文章に惹かれて大切なものに出会うことができたようです。そんな作者が折口信夫の思想についてわかりやすく述べています。2015/09/17

ぺったらぺたら子 

20
直感的な「類化性能」。異なるものとの類似性によりその本質を抽出して行く方法。それを駆使して霊的世界とシャーマン的に感応する折口の姿はシュタイナーにも似る。芸能の起源と「まれびと」という視点。それは現代に於いてはロックに顕れた。その「まれびと」感の文明社会への復権こそがロックの本質だったし、最も意識的だったのが勿論デヴィッド・ボウイだった。本書でも「『ごろつき』は石がごろごろと転がっているような生き方を好む連中」との説明に(ローリング・ストーンズ)という注釈がわざわざ入っているのが笑える。しかも丁度69頁!2020/02/10

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