出版社内容情報
若き大女優が夫と旅した1958年のヨーロッパ。街を自由に闊歩し、レストランや蚤の市を楽しむ。エッセイスト高峰秀子の面目躍如。解説 斎藤明美
高峰 秀子[タカミネ ヒデコ]
内容説明
こうしてパリでぼんやりしている事の何とすばらしい事か―昭和33(1958)年、ヴェニス国際映画祭の後、名女優・高峰秀子は夫とともに7か月間、ヨーロッパを巡り歩く。パリ、ボン、マドリード、ローマ…、誰にも気兼ねせずに腕を組み、蚤の市を訪ね、人々と語り、おいしいものを楽しむ。死後に見つかった、最も幸せだった旅のすべて。秘蔵の写真を加えて文庫化。
目次
パリ・ローマ経由ヴェニスへ
コモの梅原龍三郎画伯
ヴェニス映画祭
パリ再訪
ボン―夫が入院!?
歩く、歩く、パリ
スペイン小旅行
パリの晩秋
ドイツで「無法松の一生」上映
善三・秀子、太る
雨にあけ雨にくれた南仏
藤田嗣治画伯のアトリエ
シャルトル、レストラン「古い家」
名画座、土産、イヴ・モンタン
ひるねをしたけりゃ、イタリーに
マルセイユ―さらばヨーロッパ
船はスエズ運河を通り…
ボンベイ―にげ出したくなる様なむごさ
船は東南アジアをゆく
香港、そして神戸―旅の終わり
著者等紹介
高峰秀子[タカミネヒデコ]
1924‐2010、北海道生まれ。子役時代から晩年まで一貫して日本映画界を代表する大女優として活躍した。文筆にも優れ、『わたしの渡世日記』で日本エッセイスト・クラブ賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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セレーナ
6
下品なモノ言いもあるが、日記である。他人様に見せる前提ではない。そういう意味で却って生き生きしてる印象。旅日記というより16mフィルムをみているようであった。2019/06/03
てくてく
6
昭和33年のヴェニス国際映画祭で「無法松の一生」がグランプリを獲得した。その映画祭に出席した高峰秀子が、その後、夫と七か月ヨーロッパに滞在して船で日本に帰るまでの旅日記ないしメモ。発表を前提としていないため、ざっくばらんな叙述で、リズム感があって面白かった。「静かで、何だか消えてしまいそうな日である。」「ほんものの音楽家ばかりが客せきへ出て来て、実に良い。チップをやると耳もとで嬉しそうにひく。ちっともてれず気取らず正に芸人である。大いに気に入った。」2017/01/29
ムツモ
1
羨ましい、半年を越えるヨーロッパ滞在。人に見せるために書かれたのではない素直な内容は好感が持てた。仕事の疲れをしばし癒してもらい、感謝!2017/04/24
にやり2世
0
映画の感想がおもしろい。大したことないとか、つまらないとか。日記というより走り書きみたいな内容で率直な言葉が並ぶ。大女優の豪華旅行かぁと思ってたら、実はそうではないことがわかって一気に親近感。2016/09/22
にやり2世
0
勢いづいて買い物してる時は文も勢いがあって笑っちゃう。2022/11/21