出版社内容情報
迷路のような日本の温泉旅館は、アトラクション感あふれる異次元ワンダーランドだった! 名湯を巡る珍妙湯けむり紀行14篇。解説 新保信長
内容説明
風呂嫌いの宮田クン、ついに温泉に行く。熱すぎる湯を水でうめるのはなぜいけない?家にも風呂はあるのにわざわざ出かける理由がよくわからない…。風呂なのに体を洗い流さないって???―温泉を巡る謎は深まるばかり。しかし迷路のような温泉旅館はアトラクション感あふれる異次元ワンダーランドだった!日本の名湯につかる、珍妙湯けむり紀行14篇。
目次
なぜこの私が温泉に行くはめになったか
三朝温泉K旅館
伊勢A旅館と湯の峰温泉
奥那須K温泉
四万温泉S館
花巻南温泉峡
秋田H温泉とねぶた見物
微温湯温泉と東鳴子温泉T旅館
瀬見温泉K楼
伊豆長岡温泉N荘
湯河原U屋旅館
別府鉄輪温泉Y荘
九州湯めぐり行
地獄谷温泉と渋温泉K屋
下呂温泉Y館
著者等紹介
宮田珠己[ミヤタタマキ]
1964年、兵庫県生まれ。大阪大学工学部卒業後、会社勤めの傍らアジア各地を旅する。有給休暇を使い果たしてから退職。現在は旅とレジャーを中心に幅広い分野で執筆活動を続けている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ホークス
40
海外の秘境もいいけど、日本の古い旅館の得体の知れない雰囲気も面白い。予想外の方向に生え延びる廊下。用途の分からない部屋。方向感覚を失う変な配置。そんな不思議旅館を訪ねるユル〜い旅行記である。旅館をさらにテーマパーク的にしているのが、廊下に突然現れる神社や、巨大な天狗面が睥睨する風呂などの異界的な仕掛けの数々。経営者の偏った愛情と、片付けられぬまま残った古物が織りなす迷宮感がたまらない。著者の不真面目な語りが不思議旅館にぴったりで、自分も行きたくなってしまった。2017/09/13
saga
31
風呂・温泉に対し否定的だった著者を温泉好きにしてしまった紋さん、篠さん。あとがきでは紋さんが単行本発刊後に鬼籍に入られたのを読み、思わず涙ぐんだ。独自の視点から繰り出される宮田節は読んでいて楽しく、旅行、温泉、建築が好きな自分はとても楽しく読ませてもらった。伊勢A旅館、奥那須K温泉、伊豆長岡温泉、渋温泉は是非とも行くつもり。それにしても温泉宿が全てイニシャルで、巻末に解説があるのかと思ったらそれもなし。タイアップしていない取材なのか? キーワードはふんだんに本文に書かれているので、ネットで地道に調べよう。2015/03/28
ふろんた
23
入浴嫌いなのに何故か温泉のエッセイを書いてしまう。温泉に対する造詣が深まることもないのに、なぜだか興味が湧いてくる。宿泊のみ共にし、それ以外は各自ばらばらになって自由行動というおっさん3人旅はいいね。迷路なんて誰も興味ないからそっちを書けと言われ続けてたようだけど、そっちはそっちで興味ないぞ。2016/09/05
うめ
15
お風呂嫌いな(嫌いな理由がタマキングらしくて笑える)著者が、次第に友人たちに感化され、温泉でため息をつく下りが好き(笑)。おじさん(て年でもないと思うけど)三人旅、面白そうですよ。紋さんも篠さんも一緒に気楽な旅が出来て楽しんでたと思います。もともと方向オンチな私は、建増し旅館、悪夢に出てくるほど(笑)怖いものなのだけど、楽しんだり、見取り図描いちゃうタマキングはすごい。温泉はワンダーワールドね。2015/07/25
ピオリーヌ
14
そもそも風呂嫌いであり温泉嫌いでもある筆者が、日がなゴロゴロ寝て過ごすために迷路のような温泉宿に出かけるという新たな視点から、全国各地の迷路温泉宿を巡るという内容。旅の同行者は基本的に中年男性三人。源泉掛け流しに重きを置く温泉マニア達に、最初は引きながらも徐々に温泉が好きになっていく下りが楽しい。また文体は軽妙で思わず笑ってしまう箇所も沢山。後程調べたら著者は人気旅行作家のようだった。他の著書も読んでみたい。2021/09/06