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ちくま文庫
女嫌いの平家物語

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  • サイズ 文庫判/ページ数 287p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784480429551
  • NDC分類 913.434
  • Cコード C0195

出版社内容情報

『平家物語』の女性はみんな美人で男好み。ところが史実はそうではない。なぜ『平家』は女たちの実像を封印したのか。

内容説明

『平家物語』にはブスがいない。おまけに、可哀想な・けなげな女はいても、ずるい・嫉妬深い・権謀術数にたけた女はいない。揃いも揃って男好み。ところが史実を調べれば、彼女たちは決してそんなツマラナイ女ではない。『平家物語』は、男たちの鎮魂の物語。男の美学はあっても女の本音はない。その本音を掘り起し、なぜ物語がそれを封印したのかを暴く、痛快古典エッセイ。

目次

栄える平家をとりまく女たち(祇王と仏御前―芸能人の王道;二代后と待宵の小侍従―最後の王朝;建春門院と八条女院(一)―建春門院は意地悪オバサンか?
建春門院と八条女院(二)―裁かれる支配的な母
小督(一)―悲恋に秘められたもう一つの恋
小督(二)―逃げていく女
祇園女御―水の女)
滅びる平家をとりまく女たち(維盛の北の方―光源氏のような夫をなくした女;巴―落ちた女将軍;小宰相―美しい死体;千手前―仏になった遊女;横笛と袈裟御前―ワイドショーの犠牲者たち;二位の尼―無能な野心家;静―ステージママと娘の悲劇;建礼門院―死を演じる女優;女房たち―諦めの文学から希望の文学へ)

著者等紹介

大塚ひかり[オオツカヒカリ]
エッセイスト。1961年、神奈川県生まれ、早稲田大学第一文学部日本史学専攻卒業。出版社勤務を経て、1988年、失恋体験を綴った『いつの日か別の日か―みつばちの孤独』(主婦の友社)以後、古典エッセイなどを数多く著している(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

はなん

12
系図が詳しいので大河の手助けになると勧められて手にする。女性中心の平安時代から男性中心の鎌倉へ。その過渡期の物語というところにはなるほど、と思いました。。少々苦労して読了。2012/09/30

びっぐすとん

10
108円本。『平家物語』は授業で習った場面や有名どころしか知らないが、これは「男の、男による、男のための物語」かもしれない。女の気持ちには触れてないし、著者が指摘する「編纂者は男性同性愛者で母親にコンプレックスがある」というのはあながち間違いじゃないかもしれない。後の時代と違い、戦で死ぬのは男だけ。妻子を遺す男の未練、残された女の愛惜。軍記物かと思ってきたが、仏教思想と相まって現代の日本人の涙も誘う魂の救済の物語なのか。愛しい人を失う悲しみに敵味方も時代も関係ない。平家の公達が哀れ。維盛一目見てみたい😍2019/06/24

のれん

8
源氏物語とは対照的だとされる平家物語。所謂男性社会になった鎌倉時代でどのように男性に興味を抱かせたのか。清く優しい美女達が儚い自己犠牲をもって男性の友情や滅びを礼賛する。著者は性別通りの女性視点でこれを糾弾するわけだが、中でも巴の下りはかなり響いた。所詮は男の差別が隠れた敬意に振り回される、男に都合の良い女ということか。  ただ義仲と兼平の友情とか好きな自分としては、男色は勘弁して貰いたい。仏教は女嫌いで男色に走りやすい傾向があることは知っているが、その辺も考察してくれれば納得できたかもしれない。2019/10/23

Juichi Oda

2
源氏物語の専門家である大塚ひかりさんが平家物語を読めば、ホモセクシャルがこれを記したとのこと。その真偽はさておき平家物語は、女性が中心だった平安時代から、男が中心になる鎌倉時代への変わり目の文学とし、価値観が大きく変わった時代の産物としている。その中では、女は表に出てこず、評価もされない。そこを「女嫌いの」としているのだけれど、そんな見方が新鮮で、とっても興味深く読める一冊でした。彼女の源氏物語関連も是非読んでください。2012/09/11

Gen Kato

1
平家物語に登場する女性たちを現代的視点で紹介。ホモが作者って言いきっちゃうのは……大胆ですね(汗)2013/11/06

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