内容説明
著者の代表作が手軽に読める「つげ義春コレクション」。本書は、著者が貸本マンガ誌に発表した時代マンガの傑作を収録する。下級武士や忍者が身分制に抗いながら生きる姿、庶民の哀歓を描く。時代劇ブームのさなかに量産された貸本マンガのなかから、著者自らが選んだ5作品。
著者等紹介
つげ義春[ツゲヨシハル]
1937(昭和12)年、東京葛飾生まれ。小学校卒業とともにメッキ工場に勤める。その後職を変わりながら、職業としてマンガ家をめざし、1955(昭和30)年に単行本『白面夜叉』で本格デビュー。貸本マンガや子供向け雑誌で活躍。1965(昭和40)年から「月刊漫画ガロ」に作品を発表し、じょじょに注目を集めるようになる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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あたびー
37
1冊まるごと時代物。白土三平の人気によって貸本業界は一にも二にも忍者・侍ものと言うことになったのだろう。どの作品にも侍というメンツに縛られた不自由な存在と、それに振り回される人間の姿が描かれている。勘違いにより武蔵と立ち会わなくてはならなくなる盲目の浪人、異様な面体で蔑まれる男、城主に瓜二つだった為に悲劇が訪れる男、曲芸を剣技に昇華させたことで運命に翻弄される男など、自分の意志とは別の方向に転がっていく運命に抗う事もできない人間の哀しさにはつげ義春漫画の色が確かに現れている。2022/03/16
アズル
5
時代劇の作品集。「一刀両断」はなんとなくのほほんとしていて、ほっこりしました。「忍びの城」は後半、オチが察しついたけど、切ないですね。2014/01/22
web-holic
2
『侍の名をきているだけで、中身は俺たち百姓とちっともかわりはしねえ。弱い人間を殺すことはできないよ。』2009/07/20
コマック
1
つげ義春の時代物だけが集められています。白土三平が読まれていた頃に描かれたようです。どれも好きですが、表題の「鬼面石」の終わり方が素晴らしいと思いました。生き方について考えさせられます。2023/08/01
kana0202
1
時代もの。普通に面白い。なんとも言えない後味。絵が可愛い。2021/12/12