著者等紹介
幸田露伴[コウダロハン]
1867‐1947。本名成行、別号蝸牛庵。江戸・下谷生まれ。いくつか学校に入ったが、どこも卒業せず、もっぱら図書館へ通って独学。二十二歳のときの「露団々」で文才を示し、「五重塔」「蒲生氏郷」「観画談」「運命」などのほか、多くの歴史小説によって史伝物に新境地をひらいた。七十歳をこえて香気あふれる「幻談」「雪たたき」「連環記」を発表、世を驚かせた(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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優希
55
幸田露伴は『五重塔』くらいしか知らず、堅い作品を書く作家という印象でした。しかし、この作品集ではユーモアが感じられます。意外と明るい人だったのかなどと空想しますね。2022/02/25
優希
37
再読です。ユーモアを感じる作品が多いので明るさを感じました。2023/11/14
やま
11
幸田露伴は五重塔と俳句の本くらいしか知らず、幸田文を読んだり永井荷風を読んだりして興味がでて読んでみた。小説、自伝、随筆などがある。◇突貫紀行はどうも自伝らしい。野道、望樹記は随筆らしい。中にはちょっと怪奇小説のようなものもある。蒲生氏郷は生真面目な小説か。◇なんだか五重塔の印象と違うぞと思ったら、解説に「露伴は楽しい人である」とある。やはりそうなのか。自分で楽しんで小説を書いているし、随筆を書いているように見える。◇望樹記を読んで、後年、幸田文が「樹」で露伴の木の話に触れていたことに気が付いた。面白い。2022/02/06
ジュンコ
8
おもしろかった!堅苦しいイメージを持っていたけれど、のんびりしていたり、ユーモアがあったり、意外と読みやすかった。(難解なものもあったけれど…)「太郎坊」「雁坂越」「観画談」「野道」「望樹記」あたりが好きだな。そのうち「五重塔」に挑戦してみよう。2015/06/22
Ribes triste
7
読書をゆったり、たゆたう気分で堪能する。味わい深い文体。時にユーモラス、時に剛健で雄弁。露伴の心優しさもしみじみと感じられる。バラエティに富んだ選集でした。2015/10/15