内容説明
近年の喫煙規制は健康問題を端緒として、社会的な管理にまで及びつつある。しかし、科学的根拠とされる疫学データには疑問がつきまとう。酒とともに古い歴史をもつたばこは、大人の嗜好品であるにもかかわらず、様々な社会的思惑や利害に翻弄されてきた。人々の嗜好と疫学、さらに秩序感覚との微妙な関係を文化史的に振り返り、その現代的特徴を浮き彫りにする。
目次
プロローグ ある出来事についての感想
第1章 嗜好品とは何か
第2章 たばこの歴史をたどる
第3章 現代の反たばこ論を検証する
第4章 大人になれない大人たち
第5章 大人になるために
エピローグ 文化の継承
著者等紹介
本島進[モトジマススム]
1953年大分市生まれ。1975年、一橋大学を卒業し、日本専売公社に入社する。環境庁出向、秘書室、国内原料関係業務、たばこ事業企画室を経て、広報部長、京都支店長を務める。2002年3月、JTを退社する。現在は日本嗜好品アカデミー代表(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
儚俣
0
中盤まではたばこの歴史や嫌煙団体の幼児性など、反喫煙と現代社会の問題をわかりやすく解説している。後半はその幼児性問題を解説するためにたばことは直接関係ない問題にまで飛躍している。一読の価値はあった。2012/11/20
roku7777
0
疫学における因果と相関の関係は納得。たばこも一つの文化だということもわかる。ただ後半は失速で何を言っているんですかこれはって本になってしまった。たぶんに風呂敷の広げすぎだろう。ただ僕は大上段に「正義」をかざす人には警戒感がある。その点でこの本は好き。2021/01/26