内容説明
禅は世間の常識を疑ってかかる。この世で生きていくうえで常識はたしかに必要だが、それは往々にして私たちの精神を不自由にもする。禅が何より大切にするのは、心を解き放つこと。常識に潜む邪気に無邪気で向き合うのだ。禅語と呼ばれることばの数々には、そうした禅の真髄が意味深長に、ときに韜晦まじりに表れている。自然と和しながら人為の常識を覆す禅語の宇宙、その豊饒を、高僧の墨蹟と達意の文章で綴る。
目次
年新た
春立つ
夏来り
秋を訪う
冬篭もる
無季
著者等紹介
玄侑宗久[ゲンユウソウキュウ]
1956年福島県生まれ。慶應義塾大学文学部卒。1983年より臨済宗大本山天龍寺専門道場で修行。現在、臨済宗妙心寺派福聚寺住職。「中陰の花」で第125回芥川賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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