出版社内容情報
正義とは何か？ なぜ善良な人間であるべきか？ 倫理学の重要論点を見事に整理した、道徳的カオスの中を生き抜くためのビジュアル・ブック。
内容説明
古典ギリシャ時代から蓄積された重要な論点を、倫理学史を通覧しつつ、きっちり理解することができる。社会契約説・功利主義などの基本的な議論はもちろん、「動物の権利」や「安楽死」など現代的なトピックスについても詳説。道徳的カオスを生き抜くために役立つ、ヒントとウィットに富んだ新訳ビジュアル・ブック。
目次
舞台の準備（１０の中心問題；信念体系の社会的起源 ほか）
倫理学小史（ギリシャの都市国家；民主主義 ほか）
倫理学と動物（中傷する哲学者たち；動物の権利 ほか）
倫理学と安楽死（コックス医師とボイズ夫人の裁判；裁判 ほか）
著者等紹介
ロビンソン，デイヴ［ロビンソン，デイヴ］ ［Ｒｏｂｉｎｓｏｎ，Ｄａｖｅ］
長年哲学の教鞭をとる。ポストモダン文学理論の著書などがある
鬼澤忍［オニザワシノブ］
翻訳家。１９６３年生まれ。成城大学経済学部経営学科卒。埼玉大学大学院文化科学研究科修士課程修了（本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです）
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感想・レビュー
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白義
16
哲学と同じく聡明な解説が冴える、漫画で一望できる倫理思想史。単に時系列ごとに倫理学を追うのではなく、現代の問題意識と古典的思想を繋げ、対立した立場が同じくらい説得的に見えるアポリアの手前まで読者を誘う誠実性も高い。また、ツッコミも変わらずのクオリティで、本質的なものから、ミルに「不満足な豚はどうなの？」と豚に言わせるしょうもないジョークまで、乱暴さや下品さを感じさせず軽やかに哲学者をからかうセンスは立派なもの。ポストモダニティの時代を前提にしているが、単純な相対主義でもないとこも良い2014/09/23
ふじわらこじゅ
4
セリフが挿入されていることで目をあちこち動かさなくてはいけなかったので少し読みづらかったかも…あと、図書館で借りて流し読みしましたが、手元に置いてガイドブックのように必要な箇所を必要な時つまめるようにすればよかったなあと思ったり。2016/07/27
えふのらん
3
ロックやモンテスキューといった社会契約説の大物をあえて省いてマキャベリ、ホッブズ、ルソーを選択しているところなどは特徴的で、この並びが君主論から社会契約説への政治学的な移行と性悪説から性善説的社会契約説への倫理学的な説明を可能にしている。2022/12/10
オランジーナ＠
3
倫理学入門書。倫理学を考え出すと、頭が痛くなる。倫理に正解はありそうにないと個人的には思うのですが、だからといってそれだと社会が成り立たないからなぁ。2021/04/06
ソーシャ
3
独特のマンガ風イラストとともに、西洋の倫理思想史や主な倫理学説を一気に概観することができる良書。重要な点がコンパクトにまとまっていて、一通りの知識を持っている人でも楽しむことが出来る本です。ただ、贅沢を言えばロスの義務論には触れておいたほうがよかったのではという気もしますね。2014/10/02
