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ちくま学芸文庫
幻想の東洋〈下〉―オリエンタリズムの系譜

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  • サイズ 文庫判/ページ数 394p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784480089458
  • NDC分類 220.04
  • Cコード C0120

内容説明

大航海時代、ルネサンス、宗教改革といった近代の転換期のなかで、東洋はさらに“発見”されていく。本巻では、コロンブス、サヴォナローラ、ザビエル、ポステルらに照明をあて、西欧による一元的世界認識の深化を跡づける。オウム真理教事件、9・11以後の世界を考えるうえで示唆に富む付論「近代世界と「東洋/西洋」世界観」を収録。「“西欧文化”を批判するために、たとえば“東洋”的価値に依拠しようとすること自体が、それこそ“オリエンタリズム”の典型である、ということを言うためにこの本を書いた…」。オリエンタリズム批判を単なる知的意匠にとどめないための論理と倫理を展望する真の野心作。1987年度渋沢=クローデル賞受賞。

目次

11 新世界の楽園
12 反キリストの星
13 追放の夜・法悦の夜
14 東洋の使徒と「理性的日本」の発見
15 天使教皇の夢
16 アレゴリーとしての「ジアパン島」
エピローグ 二つの「理性」と一つの真理
付論 “近代”世界と「東洋/西洋」世界観

著者等紹介

彌永信美[イヤナガノブミ]
1948年生まれ。仏教学者、評論家。パリ高等研究院歴史・文献学科中退。仏教神話の伝承史的研究に加え、ヨーロッパ文化史・宗教史・神秘思想の該博な知見を生かした広範な評論活動を展開中。『幻想の東洋―オリエンタリズムの系譜』(1987年度渋沢=クローデル賞受賞)のほか、著書に『歴史という牢獄』、『大黒天変相』、『観音変容譚』が、訳書にヴァン・ジュネップ『通過儀礼』(秋山さと子氏と共訳)などがある(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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壱萬弐仟縁

7
西欧視座からすれば東洋は発見(裏表紙)。視点がどこかで世界認識も随分違うのだろう。あとがきにあるように、「『弱者問題』は人類史全体にかかわる問題」(376ページ)というのは大切な意識。図78(023ページ)のアメリカ原住民の食人の習慣は、スペイン人植民者に強烈だったという。これは人権という概念がなかったと思われる16世紀後半の文献にある。オルテリウスの地図帖(図105 129ページ)は日本もインドの範囲という認識だったようだ(1624年時点)。江戸時代で鎖国でなければ、こんな過ちは史実として残らなかった。2013/02/19

ポルポ・ウィズ・バナナ

0
作者自身も「幻想の東洋」に囚われている感。2012/01/29

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