ちくま学芸文庫<br> 少女古写真館

ちくま学芸文庫
少女古写真館

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ 文庫判/ページ数 235p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784480086679
  • NDC分類 748
  • Cコード C0172

内容説明

いつでもちょっぴり不機嫌で、どうにも手に負えない、小さな存在―少女たち。この捉えどころのない生きものは、幼児から女へと変貌するあわいの瞬間に奇跡のごとくたちあらわれ、やがて幻のようにうつろってゆく。かたや、写真というものは、つねに儚いものの姿を追い求めつづけてきた。だから、まるで捕虫網で美しい蝶をつかまえようとするように、写真が少女という一瞬の姿を捕らえてきたのは当然の成りゆきなのだ。洋の東西を問わず撮りつがれてきた少女写真を厳選し、小さなサイズに閉じ込めた、手のひらに載るコレクション。

目次

少女写真の世界へようこそ
花と乙女
異国少女たち
人形愛の世界
日本少女たち
二人の少女
少女と小道具
グリーティング・カード
少女のまなざし
ルイス・キャロルの少女写真
小さきもの―コビト論
スリーピング・ビューティ
技術論

著者等紹介

飯沢耕太郎[イイザワコウタロウ]
1954年、宮城県生まれ。日本大学芸術学部写真学科卒業後、1984年に筑波大学大学院芸術学研究科博士課程修了。写真評論家
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

Koning

18
ちぅことで。タイトル通りあざとい写真集なんだけど、飯沢の言い訳めいたコメントというか感想がなかなか楽しい(あとがきの代わりの対談でのっけにぶちかまされてるわけですが)。まぁ20世紀初頭の写真が写真として特別っぽいものだった頃のってやっぱり単純なものでもすごいよねという。特に綺麗っぽい、可愛いっぽい年頃のお嬢ちゃんというのはそれだけで破壊力がある(老若男女に)。対談で語られる沢渡なんかのえげつない写真と比べるべくもないなーというか。そして、やはりフリークスとスリーピングビューティーなとこでどうしても(続く2015/02/10

trash

3
”「だからね、だからね。男が、飯沢さんもそうだけど、少女少女ってこの時期を珍重するでしょう。それって何よ、って思うわけよ。ババアになったって少女は少女なわけよ。なんでそれがババアになったってことだけで、誰もコレクションしてくれないの?」「 それはさ、男のわがままなところでもあるんだけども……、ババアの顔で少女をやってるのと、少女の顔で少女をやってるのとは違うからさ。」「なんでなのよ。そこが腹立つじゃありませんか。ババアの顔をコレクションしている人っていないのかしら。"2013/04/10

塀(へい)

2
写真群や写真家についての紹介は興味深かったが、エッセイについては特に言う事がない。筆者は写真評論家らしいので、プロローグにあるような普遍的な少女イメージの印象論に留まらず、写真から少女を考えるような視点を前面に押し出して欲しかったかもしれない。伊藤との対談では、「ババアの顔で少女をやる」議論に混乱を感じた。少女は主体的行為として可能だろうか。飯沢の少女、その本質は澁澤的な物質的客体性になく、あくまで制御不可能な主体として現れるのかもしれない。2013/01/07

1
著者の定義によると少女とは性交不可能な年齢の子とのこと。少女は本来は往々にしてやんちゃでじっとしていられない子供であるが、写真にその存在を閉じ込めた姿には神秘性を感じさせられる。少女にエロティックな格好をさせたところでその魅力を引き出せず、不機嫌な表情を捉えた写真のほうが魅力がある。私は女性被写体の写真集を性欲のはけ口として見ているわけではなく、その存在を閉じ込めた写真というものに強く惹かれている。そのため、読んで合点がいった箇所がところどころあった。といっても真理なんてないだろうから面白いのかもな。2017/01/14

澁澤るり子

1
少女を写真に撮る事について、また今までにどのような写真が撮られてきたのか、ということを知るのに役立つ一冊。

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/361751
  • ご注意事項