ちくま学芸文庫<br> ヒメの民俗学

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ちくま学芸文庫
ヒメの民俗学

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  • サイズ 文庫判/ページ数 300p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784480085856
  • NDC分類 384.6
  • Cコード C0139

内容説明

十人並みの女に発現する突然の怪力、女中の身辺におこるポルターガイスト現象、人柱となって村を救う行きずりの女…。彼女らは、生死の淵や神との交信、性愛の場において濃密で重要な役割をはたした。男性の力とは対称的なこの不可思議な威力を駆使する女を人びとは尊敬と畏怖をもって「ヒメ」と呼んだ。古代に礎を置き、現在にいたるまでその残留が見られる「ヒメ」の力の多様な変遷と、決して表立つことのなかった女性民俗の諸相を訪ね歩き、男性が「女の力」に抱く恐怖の根源とその本体を探る代表作。

目次

1 ヒメの力(女の大力と見世物;祭りと女の力;女の怪力;女人島)
2 ヒメ殺し(女の家;嫁殺し;花嫁の死;お菊の死;母と子;お鶴の死)
3 花と犬(花と女;椿姫;女と犬)
4 遊女と妖怪(巫女から尼へ;境の遊女たち;池袋の女;女と妖怪;魔女と鬼女;鏡花と女妖)
5 ヒメの民俗学(女の大役;お月さまいくつ;女と洗濯;女の髪;女の契約;女の講;女の色(赤)
女の色(白)
主婦権のこと)

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

藤月はな(灯れ松明の火)

27
境界線が曖昧な存在であるが故に異能とも成り得る「力(強力、祟りなど)」という要素を兼ね備え、神聖と同時に不浄としての存在として慈しむ母性と祟ることで仏を守護するという役割を持っていると考えられていた女性についての考察。様々な文学作品などで事例を紹介しているのは入り込みやすくていいですが「月と赤=初潮」などの固定化されたジェンダー論に縛られているために浅い考察が多かったと思います。2013/05/17

あかつき号

16
柳田―折口と続く女性の霊性を、近世以降の都市が形成された後の、都市(男性的な社会)における女性の霊性の現れ方が描かれている。個々の話題が簡潔に述べられていて面白かった。 男性の力が圧倒的であっても、誕生・死といった境界をまたがる事においての女性の力は強烈である。それが成人の儀式であったり、結婚の際にもその力が発揮されていたこと、農事や橋つくりにおいても欠かせぬ力であったことが、地域に残る言い伝えや民話から読み解かれていて、興味深かった。2015/09/29

misui

5
女性民俗の諸相を訪ね歩くとは言うけどただ事例を並べるばかりで、これでは徒然エッセイの域を出ないのでは。まあ実際にエッセイとして書かれたもののようですが。なぜ女性が力を持つに至ったのかとか、境界において発露する女性の力とかは、掘り下げていけば異人としての女性という大きなテーマに繋がっていきそうではあるし、それでこそ女性民俗を呼びこむ学究的な態度だと思うんだけど、いかんせん散漫で具体的なところが見えづらい。タイトルに学と銘打つならもっと突っこんだ考察が欲しかったですよ。2010/03/19

陽香

1
199305252017/12/30

真水

1
もちょっと突っ込んだ考察を読みたかった。2011/06/21

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