内容説明
目的論的発展史観として解釈されていた旧来のマルクス理解にかわって、そのテクストの『構造論的』把握を試みた記念碑的著作の完訳である。下巻は、バリバール「史的唯物論の根本概念について」、エスタブレ「『資本論』プランの考察」を収録。
目次
史的唯物論の根本概念について(エチエンヌ・バリバール)
『資本論』プランの考察(ロジェ・エスタブレ)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Bevel
3
『資本論』への向き合い方、ポジショントークが続く上、中とは違って、実質があるのがバリバールの論考。「生産様式」の移行として歴史発展を記述するが、現在の資本主義的生産様式から原始的蓄積を考える「系譜学」は表層しか辿らず、むしろ「再生産」の議論のうちに移行を含むすべての共時的構造が見いださないといけない。結果として例えば産業革命は、労働手段と労働力のカップリングから、労働手段と労働対象のカップリングへの「場所の移動」として記述される。あとリビドーによる主体の発生も同様だという示唆やサルトルの媒介批判など。2023/02/20
Kanou Hikaru
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本棚の整理中・・・ 経営者・経済研究者に紹介したい本