ちくま学芸文庫<br> 都市

ちくま学芸文庫
都市

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  • サイズ 文庫判/ページ数 228p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784480081391
  • NDC分類 209
  • Cコード C0130

内容説明

西ヨーロッパにおける近代資本主義の幕開けのきっかけともなった「市民」とは、どのような概念なのだろうか。古代・中世・近代の「都市」という現象を、広く世界史的な視野のもとに眺めるとともに、ヨーロッパの都市と東洋、特に日本の町との本質的な相違を社会的に比較研究し、市民意識の根源を浮き彫りにする先駆的名著。

目次

1 都市とは何か
2 市民とは何か
3 東洋になぜ市民という意識が発達しなかったか
4 ギリシア・ローマの都市国家
5 西洋中世都市の二つの型
6 近代社会への転換について
7 近代都市の成立
附論(ヨーロッパ都市の伝統;「市民」の概念とその変遷)

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

たか

3
内容自体はめちゃくちゃ難しいわけじゃないんだけど要するに何が言いたいのか分かりにくい文体2017/06/12

2n2n

1
『産業革命による資本家の出現ということは、その限りでは一見あくことなき利潤の追求、資本家による労働者の搾取という形をとって、何ら宗教的な問題を含まないかに見えるが、しかしそういった精神の出て来る系譜をたどってゆくとするならば、(中略)つまり人間を機械化するというふうな発展の方向を示したいという理由は、すでに文芸復興と宗教改革の前に現われた文化と宗教の分離、信仰と知識の分離というあの決定的な近世開幕の事情に起因するものだといわなければならない(p164−165)』2016/03/12

ksg

0
「市民」とは何であるか。こういった問題を市民という概念の起源であるヨーロッパの歴史を辿りながら分析してゆく。この「市民意識」、本当に日本では圧倒的に欠けていて、それは筆者が述べる以上に様々な現象に現れていると思う。それは猥雑な街並みであったり、労働環境の悪化であったり、ニートの増加であったり、環境破壊の増長であったり。あらゆるものが、住民一人一人が自らの属する共同体の一員であるという自覚を持ち、生活様式を高めていこうとする意識を持つことで解決できるはず。問題はその意識を日本に生み出してゆく方法論だが・・・2012/06/14

RYU

0
都市、市民意識。普段無意識に使っていることばを紐解いていく。東西の違い、文化の違い、気候の違い、いろいろな観点から語られている。もっとはやくにこの本に出会いたかったな。2010/09/17

MADAKI

0
【生きる場所を問い直す】都市や市民という基本的でありながらそれ故に扱いづらい概念を、歴史を正確に俯瞰することで非常に的確にとらえ、さらにこちらへの問題提起も忘れない。自分の属する共同体を少しでも良くしていこうという卑近な目標を設定することで、市民として共同体にコミットメントする意識、すなわち市民意識が日本でも少しでも育まれる、筆者はそう信じている。都市というものに興味のあるものばかりではなく、広く歴史、政治、経済、社会学等を志す者は一読の価値があろう。

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