内容説明
19世紀ドイツを震源とした形面上学批判の立場を継承するポスト構造主義に焦点をあて、現代思想の見取図を描きだす意欲的試み。脱中心化の巨人的知性ミシェル・フーコーをはじめ、ノマディスムのジル・ドゥルーズ、漂流の思想家リオタールのほか、ロラン・バルト、クリステーヴァ、ミシェル・セール、アルチュセールなど現代フランスを代表する多彩な思想家たちの群像。
目次
現代思想の震央
現代フランス思想の構図
脱中心化の思想 ミシェル・フーコー
ノマディスム ジル・ドゥルーズ
漂流の思想 ジャン・フランソワ・リオタール
快楽の思想 ロラン・バルト
個物の救済 ベンヤミンと林達夫
おぞましさの探求 ジュリア・クリステーヴァ
エセーの哲学 ミシェル・セール
ニーチェの影
テクストと空白
記号論の現在
破滅への願望
思想の晩年様式
市民社会化する家族
創発的知性
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
井蛙
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この本を読んで現代思想がわかるってことはほとんどないけど現代思想の源流にアドルノを据えたところは気に入った。 それにしても今村という人は(陳腐な二元論だけど)圧倒的に実践に関心がある人ですね。 『千のプラトー』に対して『アンチオイディプス』の記述がごっそり抜け落ちていたりするのもそういうことなのかな(ぼくも『千のプラトー』の方が好きですが)。2017/07/09
☆☆☆☆☆☆☆
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もう四半世紀前の本か。現代思想といいつつ、結局マルクスに戻るのがこの人らしいです。合掌。2012/08/24
josch-nein
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「社会化した形而上」批判者としてのポスト構造主義の思想家たちの系譜をえがく。ポスト構造主義思想家の思想自体を説明するというよりは彼らと19世紀の思想家(とくにマルクス)との影響関係を論じている感じであった。2012/05/12