ちくま新書
中国人民解放軍の実力

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  • サイズ 新書判/ページ数 222p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784480066886
  • NDC分類 392.22
  • Cコード C0231

出版社内容情報

膨張する中国の軍事力に対する警戒感が世界で高まっている。領土領海への野心も小さくない。軍幹部の証言や独自入手した資料で不透明な人民解放軍の実像に迫る。

内容説明

中国の軍事力に対する警戒感が高まっている。空母の建造、対艦弾道ミサイルや次世代ステルス戦闘機の開発…など、経済成長を背景に、軍備も膨張し続けている。領土・領海への野心も小さくない。けれど、その実力は未知数である。他国に比べて情報が少ないため、専門家でも評価が極端に異なるのだ。パワーを得た彼らが暴発することはないのか。そもそもどんな思想のもと、彼らは何を目指しているか。特派員として現地を取材し、数々のスクープを上げたジャーナリストが、不透明な中国軍の裏側をえぐる。軍幹部の証言や、独自入手した資料で浮かび上がった、人民解放軍の実像とは。

目次

第1章 カジノが空母に化ける―海洋戦力
第2章 先制不使用は絶対ではない―核戦略
第3章 目指すは制天権―宇宙開発
第4章 外国兵器は特別枠―国防費
第5章 攻撃は最大の防御―国防政策
第6章 党の軍隊―文民統制
第7章 無駄と腐敗―闇の軍組織
第8章 自らまいた種―中国脅威論
第9章 米国が目標―安全保障観

著者等紹介

塩沢英一[シオザワエイイチ]
1963年東京生まれ。慶應大学文学部卒。1987年共同通信入社。佐賀支局、札幌支社、社会部、外信部、ジャカルタ特派員、中国特派員などを経て、外信部次長。特派員として長く中国を取材(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ヴェネツィア

121
著者は、共同通信の特派員として長年にわたって中国を取材してきたジャーナリスト。タイトルは即物的で、しかも幾分か煽情的でさえあるが、内実は中国の共産党中央、そして軍の中枢部の国防観、あるいは現在から将来にかけての政治力学といったものである。中国の軍事という観点から見ることで、台湾あるいは尖閣諸島、さらには北朝鮮をめぐる問題も、予想通りであるとはいえ、中国のより広範な構想が明らかにされる。核戦略(空母といった輸送も含めて)、宇宙戦略と、いずれも遅ればせながら、着々と力を蓄えつつあるようだ。2014/10/26

むらきち

8
軍事や戦略といったものは、どこの国でも不透明になるものだと思います。日本にも多少は言えることで、この先、中国や他の国とどんな関係になるかわかりません。ただ、この本では中国は先の先まで考え行動していると書いており、対して日本はどうかと考えると、不安になります。9条関連の反対運動を見ると「戦争に繋がる」と主張されていますが、尖閣で利権がぶつかっている以上、政治経済での争いは始まっています。武力カードが無い日本は不利かな?とか思いますが、これがあると武力衝突の可能性は確かにあるわけで…2016/08/16

もくもく

3
隣国の軍隊についての新書を、二冊まとめて読了いたしました。彼の国のGDP成長率よりも大きいとも言われる軍事費の拡大は、国家体制の壁によって覆い隠され定かではありませんが、世界一の伸び率だとも言われています。平和主義者が軍拡に警鐘を鳴らすのならば、その声は彼の国にこそ向けられるべきだと思います。これに対抗するための軍拡競争の愚を避けるには「集団的自衛権への解釈改正」ってのは、カネのかからない牽制策として、効果の高いものなのかもしれません。2014/08/10

Great Eagle

3
情報収集をとてもよく行った本だと感心した。不透明な人民解放軍にの実像に迫る良書だと言える。着実に実力をつけている反面、内部組織の軋轢等で非効率で且つ不透明な運営がなされてもいるらしい。共産党の軍隊というものの、統率権者の言うことしか聞かないというのも、面白い。国の軍隊という民意が反映されるのもそれなりに時間がかかるのだろう。2013/02/02

s2013253

2
(B+)良くまとまっているという印象を受けた一方で,整然とまとめることだけにとらわれすぎているという印象も受けた。2013/02/24

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